Day12:「キューブ」映画(1997 )

「ワンセット物で登場する役者は7人」という低予算作品ながら、世界的にヒットし、カルト的人気を誇った本作。もはや古典といってよいかもしれません。日本でも数年前にリメイクされるなど、名前くらいは知っているという方も多いでしょう。

目が覚めると、謎の立方体(CUBE)に捕らえられていた数人の男女。お互い初対面で接点の無い彼らは、誰が何の目的で閉じ込めたのかも分からないまま、ともに脱出を試みます。

ところでこの作品、オープニングでは、スキンヘッドの男性がただ独りキューブの中で目覚め、事情も分からぬまま内部を移動しようとするところから始まります。ところがすぐに、折り畳み式の網状のワイヤーナイフの罠にかかり、サイコロステーキのようにバラバラに切り刻まれて死亡します。
CMで見たときにも震え上がったシーンです。
この最初の数十秒間で「部屋にはトラップが仕掛けられており、むやみに動くと危険である」という設定を示唆しているところが見事です。実際に、登場人物たちはキューブからキューブに移動していきながら、徐々に死のトラップが張り巡らされいることに気づいていきます。

次はいったいどんなトラップがあるのか。どういうルールで部屋は動くのか、そもそも規則性はあるのか?それぞれの能力を生かし、謎をひも解きながら、命がけの行進を続ける。緊迫感が途切れることなく、同時に臨場感を強く感じます。
自分がここに閉じ込められたら…と考えると、気が狂いそうなほどの恐怖にゾクゾクしたものです。

そのストーリー展開もさることながら、私がこの映画を好きな一番の理由は、最後に「救い」があることです。
昔からホラー映画は大体好きで、めぼしいものはたいてい見てきたのですが、なんていうのでしょう。最後に「誰も助からない」「誰も救われない」終わり方をするものが非常に多いように思います。
それなりの帰着点をもって、物語を完結させていればまだしも、最後みんな死んじゃうのがザ・ホラー、みたいなスタンスだと、ただ後味が悪いだけですよね。
この映画は、最後に希望を残します。助かる人物について、あるいは全員がそう感じるわけではないかもしれませんが、私はパニックの底に残った、人間性・良心が救われたように感じました。

そして実は、この映画。本編終了後に短編映画「Elevated」が収録されています。
映画の余韻に浸って、エンドロールを最後まで見ていると、突如新たな物語が始まって驚きました。当時ビデオで鑑賞していましたので、危うく気が付かずに巻き戻すところでした。
この短編映画は、同監督による本作の原点とのこと。名前の通り、舞台はエレベーター。これがまたいい感じのパニックムービーです。なかなか気の利いた特典です。DVD盤には収録のないものもあるようですので、もしご覧になる方は、こちらがついていることもぜひご確認のうえご覧くださいね!

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