Day45:「アメリカン・ホラー・ストーリー: 呪いの館」シーズン1作目(2011)

先日ご紹介したミュージカル・コメディ『glee』を手掛けたクリエイターの送る、文字通りのホラー・ドラマです。
先のドラマをイメージして観てしまったので、さわやかさのかけらもないのに当初ドン引きしてしまいました。なかなかのエログロっぷりです。
現在12シーズンまで公開されていますが、内容はシーズンごとに独立しており、同じ俳優さんが何度も出てきますが、それぞれのシーズンで完全に別人の役柄です。
シーズン8に、人気シリーズ1と3の続きが盛り込まれており、他のシーズンでもちょいちょいクロスオーバーもないではないですが、基本的には個別の物語で順番も関係ありません。
時代背景含め舞台は様々ですが根底の雰囲気は類似しているため、1シーズンでも見終えた方は、ほかのシーズンも入りやすいと思います。

私の場合は少し惰性も入りながら、新シーズンが出るたびにし視聴していたのですが。
シーズン8の中頃あたりで、なんとなくこのテイストが食傷気味になりドロップアウトしました。
ちなみに最終的には13シーズン製作予定のようですので、お好きな方はもう少し楽しめるかと。

とネガティブな出だしになりましたが、ご紹介するシーズン1はなかなかの傑作です。
個人的に一番好きなのは、シーズン3『魔女団』なのですが。物語の完成度が高く勢いがよい、この「呪いの館」が導入として断然おすすめです。

ボストンからロサンゼルスに引っ越してきたハーモン一家。
妻ヴィヴィアンは死産を経験、精神科医の夫ベンの不倫が発覚。

そんな出来事から立ち直るために、二人は娘のヴァイオレットと共に新天地に移ってきたところでした。
彼らの住むことになった新居には、以前の住人の下で働いていた家政婦の老女モイラがいました。
ところが彼女、男性の目には「若くセクシーな女性」に映ります。
ベテラン家政婦にしか見えない彼女をヴィヴィアンは受け入れますが、ベンは彼女の色香に惑い動揺します。
こんな女性が近くにいることを容認する妻に、試されているように感じ抵抗する彼の姿は、哀れでもあり滑稽。しかし女性目線でいえば、単純にゲス野郎です。

引っ越すと同時に接触してくる隣人たちは、どこか様子がおかしい人ばかりです。
そんな中、ベンのもとに患者として訪れる少年テイトは、自傷癖のあるヴァイオレットと意気投合。
嫌な予感しかしません。

モイラの見え方以外にも、次々と不可思議な現象が起こり始めます。
実はこの家、「呪われた館」として観光ツアーバスもやってくる名所でした。
実際に過去何十人もの人々が殺されており、そのすべてが幽霊としてこの家に住み着いていることが判明するのです。
このへんの設定や幽霊の様子は、映画『シックス・センス』や『アザーズ』の世界観に、少し近いでしょうか。

まあ一口で「幽霊」と言ってしまうとそれまでですが。
はじめ家族は「生きている人間」と「幽霊」の区別がつきません。
この家で死んだ者は、幽霊となってこの家に閉じ込められており、逆に言えば、この家の中で永遠に生き続けているような状態です。
彼らは家の中で実体を伴い、物理的に危害を加えることもできます。
この家に後から来た者を殺害していますし(被害者は幽霊となりそのまま幽閉)、生きている人間をレイプすることすら可能。
そんな幽霊たちは年に一度、ハロウィンの日には外を自由に出歩くこともできます。その日に彼らは様々な思惑を持ち、いろいろなことが判明します。

とにかく最初は人間関係が入り乱れ、訳が分からない現象や騒動に翻弄されますが、最終的にそれらは伏線として、うまく回収されていきます。そのあたり、なかなか手の込んだミステリーとしてうならせます。
ホラーが大丈夫な海外ドラマ好きなら、まずこのシーズン1を一度視聴してみてください。
嫌いな人は早々にフェードアウトするでしょうが、ハマった方には今後の楽しみが満載となるはずです。

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