本日ご紹介するのは、アメリカのミュージカルコメディドラマ。
題名にある「クレイジー」の文言を裏切らない、相当やばい主人公がイケてます。
この主人公レベッカ・バンチを演じているのは、舞台俳優のレイチェル・ブルーム。
ドラマの製作者・脚本家でもあるというからすごい!
ハーバード大学とイェール大学のロースクールを卒業した才女レベッカ。
ニューヨークで超エリート弁護士として成功していた彼女ですが、どこかで「満たされていない」と感じていました。
そんな折、高校時代に短期間交際していた、元カレジョシュと偶然再会します。
勝手に運命を感じた彼女は、ジョシュととヨリを戻すことで幸せになれると確信。
ジョシュとの生活を夢見た彼女は、突如としてニューヨークでのキャリアを捨て、彼の住む町へ引っ越すことを決意するのです。
いや単純にストーカーだし、怖すぎる。
しかしその有能さで彼の足取りを着実につかみ、トントン拍子でその町の弁護士事務所に転職する流れは、ポップであざやか。
「バンビのよう」と称されるクリクリのかわいい目で、惜しげもなく見事な巨乳をアピールするレベッカですが、あざとさは感じさせず、立ち居振る舞いすべてがチャーミング。
そしてジョシュがなかなかの単細胞なので、彼女が移り住んできたことに一ミリも不信感を抱かないのが、場を和ませる。
ミュージカルですので、要所要所で突然歌い踊り出しますが、そのタイミングも内容も最高。
ところでジョシュには、パーフェクト美女バレンシアという、長年の恋人がいました。
彼女は非常に高圧的で、最初はいけ好かないキャラクター。しかしレベッカに振り回されるうちに、次第にキャラが崩壊するように。
やがて自身の生き方について模索するようになり、物語が進むごとに魅力が増していく女性です。
そのほかに町で出会う人々ともみな素敵。
同じ職場のポーラは、レベッカほどの人物が、こんな田舎の事務所に来たことをいぶかしく思い、その身辺を探り始めます。
事務員なのかパラリーガルなのか、高校生の息子をもつ母親でもあるポーラですが、意外や非常に有能。ハッカー並みの技術で、レベッカがストーカーであることを探り当てます。
そして彼女を追い詰めるのですが、話を聞いてなんとその思いに賛同。
二人で協力して、ともにストーカー行為をエスカレートさせていくのです。
その際に二人で黒ずくめのコスチュームを身に着けている姿は、ドリフターズさながらのコントぶり。やってることはほぼ犯罪ですが、ピュアな二人がプロ化していく姿は、うっかり応援しちゃいます。
上司のダリルは一見おひげのダンディ中年ですが、レベッカの自分勝手さのあおりをうけるわ、自分がストレートではなくバイセクシュアルだと気づきパニックになるわ、いい感じの被害者ぶり。
ジョシュの友人でバーテンダーのグレッグは、愚かにもレベッカに恋してしまうものの、まあレベッカに惹かれるくらいだから結構なクセモノ。
レベッカの近所に住む学生ヘザーは、犯罪心理学を専攻しサイコパスについて勉強しているため、レベッカの常軌を逸した行動に興味津々。
クールでロックな見かけながら、意外と子供っぽいところがかわいい。
とまあぶっとんだドラマですが、実はレベッカは母親との関係でトラウマを抱えていたり、登場人物たちもそれぞれ悩みや転機があったりと、コメディとは思えない奥深さも随所に見られます。
個人的には、最終シーズンでグレッグの役者さんが変わったのに対し、「なんか感じが違う」という周りに「人の見え方」なんてそんなもんだ、という哲学ぶっこんでくるところとか好きです。ドラマの途中で、一つの役どころに俳優が変更されるのは大嫌いなのですが、これはかなりいいとこ突いてきましたね。
最終話のあとに、登場人物たちの歌とダンスのショーが一話分あるのですが、これもよかったですね。私は最終回の余韻に浸りながら、連続で3回くらい見直しました。
まあ軽~い気持ちで視聴してみてください。
まずは歌とダンスの完成度に感心、やがて背後にある深淵さに、しみじみはまっちゃいますよ!
Series:17「クレイジー・エックス・ガールフレンド」season1(2015)-4(2019)

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