本日お勧めするドラマは、高校のグリー(合唱)クラブを舞台としたミュージカル・コメディです。
出演者はミュージシャン、プロのダンサー、ブロードウェイでの舞台経験者といった、名実ともに実力派の布陣。
そこに70~90年代のポップミュージック、さらに古いものも最新のものも織り交ぜ、数々の名曲をカバーしてくるので聞かせます。突如入ってくるダンスも見ごたえあり。
放送開始直後から人気を博し、サウンドトラックも大ヒット。”glee“と”geek“(おたく)を掛け合わせた”gleeks “と呼ばれる熱狂的ファンを生んだ人気ドラマです。
主人公はスペイン語教師のウィル・シュースター。
同校卒業生で、当時強豪だったグリークラブ「ディレクションズ!」のエースでした。
今となってはそれも過去の栄光。
現在は廃部寸前である後輩たちのクラブを、新生「ニュー・ディレクションズ!」として立て直そうと奮闘します。
そもそもアメリカのスクールカーストで下になりやすいクラブなのでしょう。
はじめのメンバーはユダヤ系のレイチェル、黒人女性メルセデス、韓国人のティナ、ゲイのカート、車いすの障がい者アーテで、マイノリティの彼らは「負け犬」扱いされ、クラブ全体がバカにされている状態です。
いじめっ子のアメフト部員に、すれ違いざまにジュースをかけられるところなど、見ていてショックを受ける場面も多々あります。
ウィルの説得(画策)により、アメフト部のクォーターバックを務める、人気者のフィンをメンバーに加えたところから、流れは少しずつ変わっていきます。
フィンの恋人で、チアリーダーのクインも入部しますが、彼女はチア部の顧問スー・シルベスターに送り込まれたスパイでした。
アメフト部のパック、チア部のサンタナ、ブリトニーも入部しますが、当初彼らは元の部員たちを見下しています。しかし共に過ごすうちに徐々に仲間意識が芽生えていきます。
ところが「学校のスター」だった彼らも、次第に「負け犬」の一員扱いされ、部員以外の生徒たちとの関係性も変容していきます。
生徒に限らず、登場する人物すべて個性的で、どちらかといえば全員自己中心的。
スーに至っては教師と思えぬ暴言暴力をいとわない独裁者ですし、ウィルの妻も妊娠を偽っている始末。
しかし物語が進むにつれ、教師・生徒問わず、各々の家族や友人・恋人との問題も判明し、悩み苦しみ、成長していく様子も描かれています。
「高校生」役の主要登場人物たちですが、実際はほとんどが20代の俳優が演じていますので、それほど「ティーンエイジャードラマ」感はありません。教師や親たちの動向にも焦点が当てられますので、大人も見やすいドラマといえるでしょう。
毎話ウィル先生がお題とするメインの歌があり、洋楽好きにはそれだけでも毎回楽しめる内容になっています。
残念ながらシーズン5の撮影前に、フィン役のコリー・モンテースが急逝するという不幸に見舞われました。
物語上でもフィンは急死した設定となり、仲間たちが悲しむ回はリアルにつらい。
彼の死を受け、最終シーズンが大幅な内容変更となったのも悔やまれます。
しかし各々が道へと歩み出す、よいフィナーレとなりました。
メインの生徒たちが卒業後グリーメンバーが入れ替わり、中だるみな感もありますが、やはり人気となった理由があるドラマです。ノリノリで楽しめるドラマをお探しの方は、一度視聴してみてください。
Series:11「glee/グリー」season1(2009)-6(2015)

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