昨日紹介したスペインドラマ『ペーパー・ハウス』に引き続き、今回はドイツドラマです。
いずれもがNetflix製作・配信されているもので、評価の高いヒット作だったので視聴。
結果大満足だったので、2作品連続でNetflixオリジナル作品を紹介させていただきます。
物語冒頭、陰鬱な男が部屋に一人、おもむろに手紙に封をします。
そして自殺。
手紙には「11月4日午後10時13分まで開けるな」の文字が記されていました。
いきなり暗いし謎だし。
タイトル通り、というか想定以上に、映像の色味も雰囲気まで灰色。
そして先に「難解な」ドラマとの評判もあった通り、本当に1~2話目は意味不明なことだらけ。
そもそも何がやっかいって、まず登場人物が多い。
しかも日本人には馴染みのない俳優さんだし、ドイツ人の耳慣れない名前だし。
さらにこれ、2019年の「現在」を基軸に1986・1953年へのタイムトラベルを繰り返す物語のため、登場人物たちの子ども時代が交錯していきます。同じ人物でも2人分(時に3人分)余分に?現れるため、俳優さんの数もかなりのもの!混乱必至です。
しかしこのドラマの秀逸なところは、同じ人物役の子ども・大人・老人までもが、非常によく似ているのです。名前を覚えていなくてもビジュアルだけで「あ、あの人の子ども時代だ」と一発でわかります。よくまあこんな似た感じの人を配役、もしくは似たように見せる工夫をできたものだと、感心しきりです。
そんなわけで、一通り主要キャラが頭に入れば、さほど複雑ではありません。
むしろ、時代ごとにそのキャラを見つけるのが楽しみになります。
とはいえ謎の人物(実際には主要人物のいつかの姿なことも)や、秘密結社まで絡んでくるので、よそ見をしていると置いていかれますので、悪しからず。
主人公は、この冒頭で自殺した男ミハエルの息子ヨナス。
父の死のショックから、しばし不登校となります。
しかし母ハンナは奔放で図太い女性。その登場シーンが、朝から元気に間男と逢引きしているというもの。その相手は警察官のウルリッヒ。妻も子もある身のため、がっつり不倫です。
このウルリッヒはもちろんクソ野郎ですが、子ども時代に弟が失踪した過去のトラウマを抱えた上に、現在でも息子が行方不明になるという不幸に見舞われるなど、気の毒な人物でもあります。
そんなウルリッヒの娘マルタは、この物語の大きなカギを握る人物で準主役とも言えます。
ヨナスが不登校の間(まわりには留学していることに)、彼の友人バルトシュと付き合いだしたのですが、徐々にヨナスとも惹かれあっていきます。
ところでこのマルタ、始めはあんまりかわいくないな~と思っていたのですが、水着になるシーンで超絶ボディを披露してくれます。これがまた、拝みたくなるほど美しい。
そりゃあティーンエイジャー二人を骨抜きにするわけだ、と納得いたしました。
そんな主要キャラたちは、やっかいにもタイムトラベルした先に影響を与えまくってくれました。
ドラえもんあたりのタイムパトロールなら即逮捕される案件で、人間関係が時代を超えてループしていきます。
しかもシーズン2ではさらに過去の1921年、そして未来の2053年まで登場。
シーズン3にいたっては、違う時間軸のパラレルワールドが発生していることまで明らかに。
なかなかのスケールです。
いやしかし、よく練られた設定ですよ。以前ドイツ人作家の『深海のYrr』という小説をご紹介しましたが、日本人とドイツ人って、やはり気質が通じるんじゃないでしょうか。
「難解・複雑」と評されるこのドラマですが、合理的で筋道の通ったストーリー展開は、考察好きの日本人には非常に好まれると思います。
最初こそ面食らいますが、なかなかの吸引力をもつドラマです。集中をきらさずに見続けていると、じわじわとはまっていくこと請け合いです。
3シーズンですから一気見も可能ですし、見ごたえは十分。密度の高い作品をガツンと楽しみたい方に、自信をもっておすすめします。
Series:14「ダーク」season1(2017)-3(2020)
本・映画・海外ドラマが好き🩷この記事は約3分で読めます。



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