Day48:「ペーパーハウス」パート1(2017)-パート5(2021)

スペイン発祥ドラマを、ネットフリックスオリジナルドラマとして引き継いだ人気作品です。

彼氏と強盗を重ねてきた女性。
その恋人が殺され警察に追われる身となった時、「教授」名乗る人物が近づいてきます。
教授は、彼女に強盗団の仲間となるよう促します。実家も警察に抑えられ、いずれにせよ行く先のない彼女は、教授の申し出を受けることになります。

教授の作戦は、マドリードの造幣局を乗っ取ること。ただ銀行などで現金を奪うのでなく、本物の紙幣を自ら発行するというもの。
あまりに大胆不敵な計画です。
しかしそのために教授は仲間を集め、綿密な計画を練っており、教授のもとで事前にあらゆる知識を学んでいます。

集められた仲間たちは、それぞれ世界中の首都からとったコードネームで呼び合います。
くだんの女性は「トーキョー」。まさかの日本チョイス!なによりめちゃくちゃかわいい。
そんな彼女のナレーションで物語は進んでいきます。

強盗団の仲間たちは、皆個性豊か。
ナルシストで冷酷無比な現場のまとめ役「ベルリン」。実は教授の兄ですが、始めはいけすかないくそ野郎でしかありません。しかしこのドラマの前日譚となるスピンオフ『ベルリン』が制作されるほど、人気を博するカリスマ的キャラクターです。
そのほかハッカーで最年少、トーキョーと恋人関係になる「リオ」。
元鉱山労働者で、穏やかな人物「モスクワ」。その息子「デンバー」。
むさくるしい大男の双子「ヘルシンキ」と「オスロ」。
偽札製造に長けた、明るくセクシーな「ナイロビ」。みんな味があっていい。

そしてもともと敵や被害者であった人物も、ストックホルムシンドロームさながら、しかしそれよりもっと深いところで、仲間として「ストックホルム」「リスボン」の名で加わります。

登場人物はそれぞれなんらかの才能を持っていますが、育ちが悪く自己中で感情的。
そのため教授の完璧な計画を、ちょいちょい逸脱してはトラブルに発展します。
時に命を脅かすほどに。
それでも互いに仲間意識が強く、または修羅場のたびに強くなっていき、どうしようもない状況を協力し合って乗り越えていきます。

犯罪者側にたつドラマですから、警察がまあ憎たらしい。
そしてそのすきをついていく、巧妙で豪胆な行動の数々。
犯罪を美化するつもりはありませんが、都度回想される教授の準備、強盗団の訓練が、対策として活きていくのが圧巻です。

パート3では新たな計画に着手しますが、そこから教授がなぜ、犯罪に手を染めたのか。
そんな背景も見えてきて、よりその人物像や人間関係が楽しめます。

パート2でこれは完結でしょう、と思いましたが、パート5の最後までみて、改めて全体像が見えてくるその構成もすばらしいです。
もちろんシーズンが進む中で全員が無傷ではいられず、主要キャラで命を落とすものもいます。
ショックですが、ストーリーの流れとしては申し分なし。
サスペンスマニアは、必見のドラマといっていいでしょう。
ちにみにスペインドラマですが、何も考えず英語音声で視聴し、途中で「オリジナルじゃない!」と気が付きましたが、まあ英語の勉強をしている方なら、英語で見ても違和感はないのでよいのではないでしょうか。

スピンオフドラマ『ベルリン』では、教授とベルリンの人格形成?ともいえるところまで踏み込んでいますので、ぜひここまでご覧いただきたいと思います。
ネットフリックスオリジナルは、玉石混合ですが、まごうかたなき「玉(宝石)」のになりますので、自身をもっておすすめします。

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