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ダイエットの来た道:迷えるダイエッターへ贈る体験談

ぽっちゃり幼少期

1977年、両親の第一子として誕生した私。
その出生体重は4300gでした。
南海キャンディーズのしずちゃんが「5000gで市の視察が来た」とお話されていたので、それには到底及びませんが。なかなかのビッグベイビーです。

しかし母は微弱陣痛で2日以上苦しみ、私は股関節が外れていることが3か月健診で判明。
大きすぎるのは、あまりよいことではないようですが。

それでも幸いすくすくと育ち、周りの子どもたちより頭一つ飛び出る、大柄な幼稚園児となりました。
さらに運動が苦手でよく食べるため「ぽっちゃり」の称号をほしいままに。
むしろ、自分が大きいことを誇りに思う前向きな女児でありました。

ビッグに生まれ、縦に小さく横に大きく育つ

常に身長順で最後尾あたりを位置していた小学校低学年。
ところが私の身体は、小学校4年生で150㎝を超えたところで、力尽きたのでしょうか。
申し訳程度に小学5年生の健診で151㎝を記録したのち、完全に身長がストップしてしまったのでした。

ついでにそのころ体重も50㎏を突破
どうせなら身長と一緒に、体重もそこで止まればよいものを…。
上への伸びしろがなくなった結果、食べた分だけ、しっかり横に成長することにりました。

そうして中学2年生の頃には58㎏、次なる大台が見え始めたのです。これは乙女のピンチです。
と頭の片隅で思いつつ、ご飯のおかわりは止まりませんでした。

人生の転機!ダイエットの神が~☆

そんな14歳の終わり、私には初めての彼氏ができました。

実は私には、小4以来片思いしていた男の子がおりました。
しかし私の気持ちを知りながら、一向に振り向いてくれる気配がない。
業を煮やしていたところで仲の良いクラスメートに告白され、大喜びでそっこーで交際をOKしたのです。

そしてその瞬間、私にダイエットの神がおりて来ました~(「仰天」風に)。

果たして、その時の私の思いは二つ。
・せっかく私を好きになってくれた彼に、「デブの彼女」という恥ずかしい思いをさせたくない。
そして
・私を好きにならなかった彼に、逃した魚の大きさを思い知らせてやりたい。

かくしてポジティブとネガティブの入り混じった乙女心を激しく燃やし、ダイエットの鬼と化すのです。

中学2年生で正統派ダイエット開始!しかし脇道にも…

とにかく当時の私の偉かったところは
「食事量を減らす」
「運動をする」
それら2柱の、由緒正しきダイエットを実践したことでした。

食事制限

私がおこなった食事制限とは
朝・昼は普通に食べ(ご飯のおかわりはしない)
夕食はご飯を茶碗半分・野菜を多めにして、夕方7時以降は何も口にしない
という実に合理的なものでした。
本来おデブちゃん(じゃない人でも)にはハードルの高いものですが。

実は私、もともと甘いものが苦手。スナック菓子は好きでしたが、あえて食べるほどでも。
お腹が空けば、おやつよりはおにぎり食べたい方でした。

と白米は大好きでしたが、お肉よりお魚派だったし、お野菜ももりもり食べておりました。
そもそも間食の癖はなく、3度の食事(特に夕食)をがっつりいただく「健康おデブちゃん」だった私。食事の見直しと、ちょっとした習慣修正は、思ったより簡単でした。

その昔タモリさんが「太っている人は太る努力をしている」とおっしゃっていました。
確かに、意図的に1日も欠かさずカロリー摂取し続けなければ、体重は維持できないはず。
逆にそれを怠ければ、体重は減るのですよね。

筋トレ・有酸素運動

そして夕飯後は一通りの筋トレをして、軽めのジョギングを日課に。
運動音痴の私でしたが、実は筋トレは嫌いじゃありませんでした。
一応、小中水泳部だったので(練習がきついのでサボりがちだったけれど)、体を動かすことそのものにも抵抗がなかったのもよかった。

さらにはじめ10回しかできなかった腹筋が、軽々と100回できるようになり。
1㎞走るのがやっとだったのが、5㎞近く走れるようになり。
その達成感がすっかり快感で、当初の目的も忘れるほどダイエット生活にのめりこんだのでした。

正統派ダイエットの正しき結果

そうして3か月ほど経つと、私の体重は51㎏まで減ることに。
もともと身体に対してウエストが細目だったし、成長の早い子なのでお胸もそれなりにあったので、「細身」ではないものの、いわゆる「ボン・キュ・ボン」なナイスバディを手に入れました。
まあそれで見た目は問題ないっちゃなかったのですが。
やはり同世代女子の平均、50㎏未満は目指したかった。(そもそもこの「50kg未満」の呪いは、いまだに多くの日本人女性に巣食っていますが)

ところがそこで体重が停滞するのです。ダイエッターにはおなじみの停滞期ですが、初めての私にはわけがわからずパニックです。
食事をさらに減らしたり、なんなら夕飯を抜いたりしてみても、体重計の示す数値は一向に減りません。
すっかりストイック、かつダイエットフリークになっていた私は、なんとかしなければと焦り、ついに正統派を逸脱することに。

りんごダイエット:の効果と悲惨な後遺症

当時はバブル真っただ中。
ゴージャスなお姉さま方の、美への執着はそれはすさまじかった。
美しいことはそのまま自分の価値であり、それを反映する男どもからの高価な貢物みつぎものも半端ない。そりゃあモチベーションもあがります。
つくづくあの時大人だったらと思う、指くわえて見てただけの我が世代。
私もティファニーのオープンハートもらいたかった~。

話を戻して。
そんなわけで当時、あらゆる美容法が提唱され、海千山千のダイエッターが持論を展開しておりました。
謎のキノコ茶しかり、健康器具やら痩せるせっけんゆで卵メインの病院食メニューetc…。

その中で中学生の私が気軽に試せる!と目を付けたのが「りんごダイエット」でした。
3日間りんごだけを食べる、という非常にシンプルな方法です。
無駄に物知りだった私は「1日1個のりんごは医者知らず」なんて海外の格言を知っていたことも後押しに。りんごなら身体にもいいから間違いない!と。

身体にいい悪いじゃないんですよね〜。いわゆる「単品ダイエット」というものは本来ご法度。栄養不足は美も健康も損ねるだけです。
しかし当時そんな認識は、私に限らず世の中全般にありませんでした。

そうして3日間、ただりんごだけを口にした私。
確かちょうど連休で、友人と遊んだ時にも、カットしたりんごを持参するほど愚直に。
その3日間を5個ほどのりんごのみで過ごしたのでした。

はい、1㎏落ちました。50.3kgとかだったと思います。うんうん、満足♡
しかし通常の食事に戻ると、翌日にはあっさり51㎏にリバウンドしていたのです。
せない。
首をひねった私は、さらに2日間りんごのみの生活を。
ところが、今後は50.8㎏程度にしかならないのです。
今ならホメオスタシス(体の恒常性による、省エネモード)が働いていると知っているのですが。
もちろん当時はそんなこと夢にも思わず。

少し期間をあけ、3度目の正直!とりんごダイエットを再開すると、異変に気が付きました。
りんごをかじると鳥肌が立つのです。
すりりんごや、りんごジュースは受け付けるのですが、りんご自体をかじると、アルミホイルをかじったような不快感を感じる。
体に入れても問題はないので、アレルギー症状ではありませんが、明らかに体が拒否しているのです。

その後、私はりんごが食べられなくなりました。
正確には、あのシャリっという食感を味わえなくなった。
体は正直ですね。私はやってはいけないことをしたのでしょう。
47才になった今でも、りんごの「味」は好きですが、かじることはできません。

ダイエットとリバウンドの果てに

成人式に人生MAX体重…

さてその後、ダイエットに飽きた私は高校でまた58㎏まで体重が増えます。
そして定期期に正統派ダイエットのスイッチが入り52㎏程度まで落とし、また飽きてリバウンド。

その後大学に進学すると、一人暮らしの自由な生活で、夜中まで(なんなら無意味に明け方まで)起きてはスナック菓子や、あろうことかラーメン(あるいはおにぎり)を口にするようになり、体重は大台どころMAX64㎏まで増加することになります。なんならリバウンドを繰り返しすぎて、さらに太りやすくなった結果でしょうね!

そうして股ずれに苦しむほどの、見事な肥満領域に達しました。
そのまま成人式を迎えましたので、私の成人式写真はもはや黒歴史というほかない。

夜更かしはデブの元と知る!

ところが3年生以降、実習などで忙しくなって比較的早寝早起きになったところ、体重は自然と減少し始めました。
そのまま大学卒業時には、54㎏程度と10kgは減っておりました。

夜更かしをダラダラしていると、無性にお腹がすく。そして欲するままに摂取していた夜食。そこからの寝落ち。その呪縛から逃れれば、さすがに痩せるの当然ですけどね。
まあ、大方の暇な大学生が一度陥るワナでした。

さらに社会人になると、規則正しい生活で52㎏まで落ち、しかしその後ストレスでいったん58㎏まで増えることに。そしてまた社会人生活に慣れると、またゆるやかに落ちていく。
いずれにせよその後は、ダイエットというよりは生活の変化に応じて、52~58㎏を行ったり来たりすることになりました。

閑話休題:私の恋愛事情

ちなみに中学生の時の彼とは、高校1年生の時にお別れ。
その後、なぜか定期的に思いを寄せてくれる男性が現れるのですが、結局片思いをしていた男の子をひきずってうまくいかず。
26才でようやく自分から好きになった男性は、35歳のオーストラリア人バツイチ子持ちというトリッキーな展開。一瞬うまくも短期間で破局、人生で一番泣きました。
その後も私の恋愛はこじらせの一途をたどることになります。
そちらも機会があれば、いずれ何らかの形でお話を。

ウォーキングは多分最強ダイエットと知る

さて体重の増減を繰り返し30歳を過ぎると謎の変化が起きました。

当時、家から職場まではモノレールで5駅ほどだったのですが。
なんとなく、今日は1駅歩くか…から始まり2駅、あれ、そのまま行ける?と、最終的には毎日片道50分を徒歩で往復するように。
特に意識していたわけではなかったので、体重計にも久しく乗っていなかったのですが。ある日「なんか体が軽くなったな」と感じて体重を計ると48㎏に。

当時、この「歩く」以外の運動はしていません。
食事に関しては、少なくとも中学生時代51㎏で停滞し苦しんでいた時よりは食べていました。
自分は太りやすい性質なので、普通の女の子と同じ生活をしてると、死ぬまで50㎏切ることはないんだろうな~と思っていたところでした。
ウォーキング最強ってことでしょうか。

ただし、往復100分+αで買い物なども歩いて行っていたので、おそらく毎日15,000〜20,000歩はいっていたはず。通常のウォーキングとは呼べないかもしれません…。

波に乗って更なる減量

さらに当時、この体重変化おもしろ~い、と意図的に食事を減らしてみると(そもそも、なんか食べることそのものがどうでもよくなった)、するすると体重が落ちついには45㎏を切るほどに。
なんら無理してはいません。
てか、中学生時代の努力って何だったんだろう?

しかも体調も絶好調。
ところが久しぶりに会った妹に
「頬がこけて気持ち悪い!」と絶句されることに…。
151㎝なら、なんなら40㎏切っても健康面はさほど問題ないではずですが、元がぽっちゃりだった私には、何かしら尋常ならざる変化だったのでしょうか。
本質的にやせ型の人とは、体重の減り方も違ったのかもしれません。

その後、47㎏くらいがちょうどよいかな、と生まれて初めて、あえて「太る」努力をいたしました。
そういえば「太っている人が痩せる」よりも、「もともと痩せている人が太る」方が大変だと聞き驚いた記憶がありました。
確かに「食べたくない」モードを一度経験した私は、それがベースの方に「増量」は拷問だろうと納得がいったものです。

男どもの本音

ところで一番痩せていた時に出会い、当時お付き合いしていた男性は、もちろん華奢きゃしゃな女性が好みでした。よって昔の写真を見せるたところ「この時会ってたら好きになってない…」と言われました。

逆にMAX体重時に私に思いを寄せてくれていた(つきあってはいない)大学の同期に、この頃再会したのですが。さらりと「今のお前は好みじゃない」と言われてしまいました。
デブ専め。

太ってるにせよ痩せてるにせよ、男はみんな結局見た目かい!
と、ちょっとムカついたエピソードではあります。
ただ付け加えるならば、必ずしも痩せればモテるわけでも、恋がうまくいくわけでもないということですよね。

そしてもう一つ。その一番痩せている時の彼氏に「もし今から私が10㎏太ったら別れってことよね」と聞いたところ、「いくら太っても今から嫌いにはならないし、それで別れることはない」とは言われました。
実際お別れたのは、全然別の理由ですしね。
結局のところ「出会うタイミング」というのも、あるいは運命かもしれません。

改めて、タイミングよく出会ったヨガ

食事制限適度な運動。基本的に、それらは私の中に根付いていました。
しかしその度合いは、気分とタイミング。

31才で出会ったヨガは、そんな私の人生に、確固たる健康と美の追求手段として溶け込むことになりました。
もともとダイエット目的でなく「年下の男に二股かけられ捨てられる」という屈辱で、壊れた心を癒すために始めたヨガですが(つくづく、ろくな恋愛してないな私…)。
ヨガを始めて以降、それほどストイックでなく(なんならビールを毎晩350ml×3本を欠かさずとも)体重は48~51㎏を行き来する程度にとどまるようになりました。
正直もちょっと落としたい気持ちもあるけれど、あるがままの自分でいいかな、というマインドにも落ち着いくように。

ダイエットに近道はあるのか?

ダイエットの最終形

いずれにせよ中学生の私を、改めて誉めてあげたい。君はよくがんばった。
というわけで、ダイエットを志すすべての人にお伝えしたい。

ダイエットに王道なし。
※勉強もねぇぇ!!(元受験屋:甘えた受験生への心の叫び)

一時期はやった低糖質ダイエットなぞありえないし(命の危険があるほどの肥満体の方はやってください)、サプリや薬に頼るなぞ言語道断(健康にかかわるやむを得ない事情があれば別です)です。

食事はやはりそれなりに減らす。でもただ量を減らすわけではなく。
5大栄養素を必ず摂取(「「空腹」が人を健康にする」を参照)してください。

そして適度に体を動かす!
ヨガはおすすめですが、合う・合わないがあるので(ゴリ押しした妹と母には、あのリズム感が無理だと拒否されました)、必ずしも万人にはすすめません。

でも例えば、最低限ウォーキングくらいは日常に取り入れてみてください。
効果は先にあげた通りですから!
ただし昨今、歩きすぎもよくないといわれておりますので、せいぜい8000歩程度でいいと思います。
加えて、できる限りの筋トレスクワットなど特に下半身に効くもの)は続けるべきです。そもそも減量うんぬんでなく、足腰を鍛えるのは、健康の基本です。

健全な精神は健全な肉体に宿る

そもそも美しい人は健康です。健康は美の源です。そして健康で美しい肉体は、精神面にも安定をもたらします。
人生豊かに生きるのは、何より心が豊かでなければいけません。
そのための近道として、私は美と健康を求めるのです。

おことわり

「健康」であることの表現について、持病をお持ちであったり、闘病中だったりする方で、もしも不快な思いをされたら申し訳ありません。
一番大切なのは精神の健康であり、そもそも肉体の話2次的なことだという前提です。
ここで私のお話している趣旨は、単純にダイエットに悩む方への提言とご理解願います。

ダイエットの行き着く先に:それぞれが納得ゆく人生を

ダイエットは心身を痛めつけるものであってはいけません。
あくまで、ちょっぴり意識を変えたり、少しだけ努力をするためのきっかけです。

目標体重に達したところで、割れた腹筋を手に入れたところで、それで終わりではありません。
なんならそれを維持することの方が地味に大変です。
だから自分との折り合い、妥協点を見つけることも肝要。

そもそも理想は人それぞれです。
モデルさんばりに痩せていても、肌が荒れていたり猫背だったり、怒ってばかりいるような女性は美しいでしょうか。
ふくよかだけれど肌ツヤがよくて、自分に合ったおしゃれを楽しみ、笑顔の絶えない女性の方が、
はるかに魅力的なのは言うまでもないでしょう。
ダイエットは、自分と向き合うツールであり過程です。
それ自体が目的でもゴールでもない。
自信をもって堂々と生きてさえいれば、人は輝いてみえるはずです。
そんな自分になって、人生を謳歌すればよいのです。

私自身「痩せること」に重きを置き、「ダイエット」に翻弄され続けてきた一人です。
しかし今は、年相応に「キレイ」と言われる見た目を維持できて、ゴルフツーリングを楽しめ、おいしいお酒が飲める健康があればオールオッケー♪というスタンスです。

みなさまはどうでしょうか。
今一度ご自身の、体と心の声に耳を傾けてみませんか。

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