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Series:13「ペーパーハウス」part1(2017)-5(2021)

スペイン発祥ドラマを、Netflixオリジナルドラマとして独自に再編集した人気作品です。

彼氏と強盗を重ねてきた主人公。
その恋人が殺され警察に追われる身となった時、「教授」を名乗る人物が近づいてきます。
教授は彼女に強盗団の仲間となるよう提案してきます。実家も警察に抑えられ、いずれにせよ行く先のない彼女は、教授の申し出を受けることになります。

教授の作戦は、マドリードの造幣局を乗っ取ること。ただ銀行などで現金を奪うのでなく、本物の紙幣を自ら発行するというもの。あまりにも大胆不敵です。
しかしそのために教授は、バラエティに富んだ仲間を集め綿密な計画を練っており、彼らは教授の下で時間をかけてあらゆる知識や技術を学んでいます。

集められた仲間たちは、それぞれ世界中の首都からとったコードネームで呼び合います。
主人公に与えられた呼び名は「トーキョー」。まさかの日本チョイス!に、日本人視聴者なら迷わず彼女を推しになるはずです。なによりトーキョー、めちゃくちゃかわいい
そんな彼女のナレーションで物語は進んでいきます。

強盗団の仲間たちは、皆個性豊か。
ナルシストで冷酷無比な現場のまとめ役「ベルリン」。実は教授の兄ですが、始めはいけすかないくそ野郎でしかありません。しかしこのドラマの前日譚となるスピンオフ『ベルリン』が制作されるほど、人気を博するカリスマ的キャラクターです。
そのほかハッカーで最年少、トーキョーと恋人関係になる「リオ」
元鉱山労働者で、穏やかな人柄でトーキョーが慕う「モスクワ」。その息子「デンバー」
むさくるしい大男の双子「ヘルシンキ」と「オスロ」
偽札製造技術に長けた、明るくセクシーな「ナイロビ」。

そしてもともと敵や被害者であった人物も、やがて仲間に加わります。ストックホルムシンドロームさながらの「ストックホルム」。そしてストーリーの主軸となる「リスボン」

強盗団のメンバーはそれぞれなんらかの才能を持っていますが、往々にして育ちが悪く自己中心で感情的
そのため教授の完璧な計画を逸脱してはトラブルに発展します。
時に命を脅かすほどに。
それでも互いに仲間意識が育み、あるいは修羅場のたびに絆を強めていき、どうしようもない状況を協力して乗り越えます。

犯罪者側にたつドラマですから、警察がまあ憎たらしい
そしてそのすきをついていく、巧妙で豪胆な行動の数々。
犯罪を美化するつもりはありませんが、都度フラッシュバックとして挟み込まれる教授の下準備強盗団の訓練、それらが伏線回収のごとく活きていくの様が圧巻です。

パート3では新たな計画に着手しますが、教授がなぜ犯罪に手を染めたのか、そんな背景も見えてきて、よりその人物像や人間関係が楽しめます。

パート2でこれはもうこれはきれいに完結でしょう、と思いましたが、パート3~5の次なる作戦を最後まで見終えて、改めて全体像が見えてくるそのストーリー構成もすばらしいです。

もちろんシーズンが進む中で全員が無傷ではいられず、主要キャラで命を落とすものもいます
ショックですが、ストーリーの流れとしては申し分なし。
サスペンスマニアは、必見のドラマといっていいでしょう。

ちにみにスペインドラマですが、何も考えず英語音声で視聴し、途中で「オリジナルじゃない!」と気が付きましたが、まあ英語の勉強をしている方なら、英語で見ても違和感はないのでよいのではないでしょうか。

先にもご紹介したスピンオフドラマ『ベルリン』では、教授とベルリンの人格形成?ともいえるところまで踏み込んでいますので、このシリーズを見終えてファンになった方たちは、ぜひ続けてご視聴いただきたいと思います。
Netflixオリジナルは、玉石混合ですが、まごうかたなき「玉(宝石)」のになりますので、自身をもっておすすめします。

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