言わずと知れたガールズドラマの金字塔。私ごときがあえて紹介するまでもないのですが、やはり大好きなドラマなので!
舞台はニューヨーク。登場人物はみな成功している4人の30代白人女性。それぞれ大いに恋を楽しみ、ファッションを愛するキラキラした女性たちです。
そんな上品なバリキャリたちが、定期的にブランチをしながら、赤裸々なセックストークを展開していくのが見どころ!なのは周知のところ。
最近はマイノリティーへの配慮から、主要な登場人物が白人のみ・異性愛者のみだとやたら非難されがちですよね。いかんせん20年前のドラマですから。
同じく古き良き定番ドラマ「フレンズ」も、折に触れてやり玉に挙げられていますね。
そもそも私は個人的に、わざわざ主人公の親友に黒人かゲイを設定する最近のドラマは、逆にアピールでしかないと思うのですが。
まあマイノリティ関連の問題は、単一民族の日本人には理解が難しいところもありますけどね。
もちろん軽視しているわけではありません。日本国内でも同和問題であったり、性同一性で悩む人たちもたくさんいたりしますし。
ただそちらを本題にするのは趣旨にずれますので、いったんわけていただきたい。
このドラマが画期的だったのは、「100%女性目線」で「女の友情」を主軸としている点です。これまた性的マイノリティの問題に抵触しそうですが、いったんそれは目をつぶってください。
私自身がこのドラマと出会ったのは、30歳になった年です。いい意味でいろいろリアルでした。
ある意味庶民とはかけはなれたセレブ女性といえど、30代の女性の恋愛観や葛藤は大いに通じるところがあります。なかなか良い出会いに巡り合わない時に「30代の独身男性は絶滅したのかしら?」といったぼやいたり、いざ出会ってもちょっとしたことで男と女の違いを感じたり、同棲や結婚は理想通りにはいかず夢の世界でもない。
主人公キャリーのナレーションで物語は進んでいきます。ほかの3人の気持ちも、このナレーターでキャリーが代弁しますが、男性の考えについては語られません。
突然冷たくなったり、前触れなく去ってしまったり。
なぜ?と思う男性の行動について解説は一切ありません。
物語としては少しもやっとしますが、キャリーが彼らの胸の内を語ることはありません。
だってそもそも、男の気持ちは女にはわかりませんから。
だからこそ女同士は結託し、共感しあいます。もちろん、男性をめぐって多少のいさかいはありますが、よくある女の嫉妬やいがみ合い・足の引っ張り合いは皆無。女性はあくまで女性の味方というスタンスが気持ちがいい。
主要キャラの1人サマンサが、豊胸手術を考えていて、たまたま見かけた美巨乳のバーテンダーに「間違っていたらごめんなさい、どこの病院かしら?」と聞いたところ「○○先生がベストです。チップも増えました」となんのてらいもなく、情報を開示してくれます。
一見の相手であろうが、女性同士は助け合って当然という世界観が素敵。
逆に50代のイケオジといい感じになるキャリーに、彼を狙っていた50代の女性上司が「こっちのプールは狭いの。入ってこないで」と痛ましいセリフを吐くところも、女同士の信頼感あってのやり取りではないでしょうか。
主要キャラ4人は、お互いよき理解者でありながら、時にケンカもします。
性に奔放なサマンサに、お姫様キャラのまじめなシャーロットが反発してケンカになる回ありました。
そんな時サマンサは同じタイプの女性と意気投合して、意気揚々と男性2人と飲みに行くのですが。悪乗りしたその女性は、バーのテーブルに潜り込み男性たちにフェラを始めたのです。
サマンサの感覚的にこれはアウト!そこに「サマンサの中のシャーロットに気が付きました」といったナレーションが流れます。
一方シャーロットも、お上品なセレブ友達とお食事会の最中に、ちょっとした下ネタを盛り込んだところ「はしたない」と総スカンを食らいムッとします。
「シャーロットの中にもサマンサがいました」というナレーションが流れ、その後二人はお互いを認め合って仲直りします。
さらに、シャーロットが理想の結婚相手に巡り合ったとき、なんと彼が勃起不全であることが判明します。得意分野ゆえに、誰よりも親身にその相談にのるサマンサ。
やっとベッドインが叶った彼女が「やったわ」と電話でいの一番に報告。それを聞き、静かにガッツポーズをとるサマンサ。二人のそんな友情が、おかしくもありうらやましくもあり。
ドラマ終了後の映画の中ではありますが、キャリーが「私には3つの鏡がある」と親友3人のことを表現しています。自分が何かに悩んだときに彼女たちに相談し、その表情を見て自分のなすべきことがわかる、といった意味です。
そんな絶対的な信頼感で結ばれた彼女たちは、いっそ運命の男性との出会い以上にミラクルな関係性です。
シーズンの最後に、幸せでない彼との日々を過ごすキャリーを、親友ミランダが元カレビッグに連れ戻すよう促すとき「go get our girl」と言います。ビッグに対して「your girl」じゃなくて、あくまで「私たちの」というところがいいですよね。
1話30分でさくさく見れるところもよいです!
それぞれのおつきあいする男性が次々と変わって、目まぐるしいですが、そのテンポもはまると楽しめます。そしてそれぞれが、その中から特別な一人に出会っていく過程もいいですね。
サマンサは一度本気になったときに「私もみんなと同じ病気になっちゃった」と悔しがる?など、安定した恋人関係に最後まで抗おうとする姿勢も、一つの生き方として見どころかも。
キャリーが成功するまでの前日譚となる「マンハッタンに恋をして ~キャリーの日記~」や、長くあった続編案がついに実現した「アンド・ジャスト・ライク・ザット…」などもありますが、私はどちらも見ていません。
多くのファン同様、特にその続編はずっと待っていたのですが。大好きなサマンサが出演しないのと(一話特別出演はあったようです)、そもそも共演者に不仲説があるというケチがついてしまったので…。結局いつか見ちゃうかもしれませんが。
まあ私にとってこのドラマは、このシリーズと映画2本で完結しているものだと思っているのもありますね。
いずれにせよ、もし未見の方(30代以上の女性は特に)がいましたら、ぜひ一度鑑賞していただきたい作品です!
Series:1「セックス・アンド・ザ・シティ」season1(1998)-6(2004)

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