891619611

Movie:23「チャッピー 」(2015)

『第9地区』監督の原点回帰的最新作!圧倒的リアリティと衝撃の結末を体感せよ!
チャッピー…それは、余命5日間の人間になりたかったAI(ロボット)

映画「チャッピー」ソニー・ピクチャーズ公式サイトより

地球で難民として暮らすエイリアンと彼らを迫害する人類の対立を、まるで本物のドキュメンタリーのように描いた映画『第9地区』。その設定の特異さとあいまって非常に斬新な作品でした。
その監督が描く人工知能搭載・人型ロボットのお話「チャッピー」。宣伝ポスターには幼児のようなロボットが描かれ、興味をもたないわけがありません。

物語の舞台は近未来ヨハネスブルグ(南ア共和国)。治安が非常に悪く警察は常に命がけ。そんな現状を打破すべく、政府は最先端人型ロボットを警官部隊として大量購入。その結果、圧倒的な兵力で町の悪党たちを押さえつけることに成功したのでした。

そのロボットを開発したのは、大手兵器メーカーテトラバール社のエンジニアディオン
しかし彼は単なる兵器でなく、知能が高く感情をもった人工知能型ロボットの製作を希望しており、独自にその開発を進めていました。
ついにそのソフトウェアが完成し、喜び勇んで制作の許可を得るため女上司ミシェル・ブラッドリーのもとに赴くも
「兵器を製造している会社のCEOの部屋に来て、詩を書くロボットの提案?」
と一笑に付されてしまいます。まあ当然の反応でしょう。
しかし個人的には、この上司役がシガニー・ウィーバーというのがウケる。第9地区から来たエイリアンの仲間か!と突っ込みたくなります。

せっかく夢だったAIロボットを作ることができるというのに…。
あきらめきれないディオンは、バッテリーを損傷し廃棄予定だったロボット警官22号をこっそり持ち帰り、そこに人工知能のソフトウェアを搭載しようと画策します。
ところがその帰路で、強盗に誘拐されてしまうのです。

強盗団は3人組のギャング。ボスへの借金のために命を狙われている彼らは、手っ取り早く犯罪で大金を得るために、まずは警察ロボットたちの動きを止めようと考えていました。そのため短絡的な彼らは、制作者のディオンならば簡単に「リモコン」で電源を切ることができると思っていたのです。

「リモコン」など存在しないと思惑が的外れであることを告げるディオンに3人は逆上。彼を始末しようとします。しかしディオンが1体のロボットを保有していることに気づき、それを自分たちの仲間となるギャングロボットに作りかえるよう指示します。

その場をしのぐ目的に加え、実際に人工知能ロボットの実験が叶うため、ディオンは進んでこの指示に従うことに。
はたして人工知能をインストールされた22号は、純真無垢むくな赤ん坊のような状態でした。
怯えて物陰に隠れるその様は、まるで小動物のように愛らしく。ディオンはもちろん女ギャング、ヨーランディのハートをわしづかみにしたのです。
そこで親しみを込めた男性(少年)への呼びかけchappieチャッピー”と22号に優しく語りかけるヨ―ランディ。それに呼応し、22号は「チャッピー」を自身の名前として認識します。かくしてAIロボットチャッピーが誕生したのです。

人工知能AIの登場する映画と言えば『ターミネーター』や『バイオハザード』などが代表的でしょう。そこでAIは「論理的に人類を排除すべきもの」と判断し、実際に人類を駆逐しようとする恐るべき存在として描かれています。
しかしチャッピーは、「創造主」ディオンの意図を反映し「芸術を解し、感情を有する」実に人間的なAIです。さらにヨ―ランディの「母の愛」がその人格形成に大きく影響しました。

ところが急速に成長するチャッピーは、自分の体が壊れていることに気が付いてしまいます。そう彼に与えられた命は、5日間しかなかったのです。

チャッピーはロボットというより「ピノキオ」に近い存在といえるかもしれません。
ゼペットじいさんの深い愛情を糧に本物の子どもになりたがった木の人形
しかも少々「悪い子」であったピノキオに対し、チャッピーは「生まれついて心の優しい良い子」です。
しかし感情をもったゆえに、壊れた体を与えたディオンに憤ることに。
さらにその純粋さゆえに、簡単に悪用されてしまうのです。

そんなチャッピーは、高い知能を駆使して自分の意識を新しい体へ移そうと試みます。
自身が「妖精」となって魔法を手にしようとする。進化系ピノキオともいうべき、チャッキーの奮闘をを見守ってみませんか。

created by Rinker
¥1,267 (2025/06/03 05:51:37時点 楽天市場調べ-詳細)

コメント

タイトルとURLをコピーしました