891619611

Movie:22「ドリスの恋愛妄想適齢期」(2015)

本日お勧めするのはラブコメですが、少々笑えないかもしれません

主人公ドリス・ミラーは、母の介護で婚期を逃した60代の独身女性
広告会社でOLとして働く彼女は、母の死後も単調な日々を送っていました。

そんなある日、職場に若く魅力的な青年ジョン・フレモントが、配属されることに。
なんとドリスは、この親子ほどに年の離れたジョンに一目ぼれしてしまうのです。

恋の始まり。それはいくつになっても心ときめくもの。

舞い上がるドリスは親友ロズに胸の内を打ち明けます。
そしてロズの10代の孫娘全面協力のもと、SNSを駆使して(偽のアカウントで友達になって)彼の情報を集めます。そこで知ったジョンの推しミュージシャンを手掛かりに彼に接近。クラブハウスにまでおもむき、偶然を装って彼の関心を得ることに成功します。

ジョンには若く美しいガールフレンドがいました。しかしドリスはあきらめません
さらに若者だらけのファンの中に、突如現れた普通のあばちゃんドリスは、その異質さとポップなファッションが相まって人気者に。ジョンとの距離がさらに縮まり、ドリスの思いや行動はヒートアップしていきます。

というか、やっていることはストーカーのそれです。キュンキュンしたドリスはかわいらしくもあるのですが、それ以上に痛々しくてヤバい
そしてタイトルの通り、ちょいちょいドリスに都合のいい妄想がぶっこまれてきます。最初は気づかず、え?いきなりジョンといい感じに?と驚くのですが、すぐにそうではない現実に切り替わり、だよね…的な。
その頻度は増えていき、中身も徐々にエスカレート。一連の流れには、不安しか感じられません。

40歳直前に視聴した私は、見ていて胸が苦しくなりました。
これは他人事じゃない。なんなら未来の自分かもしれない。
私は結婚願望こそ抱いたことはないのですが、少々恋愛体質のケがあるのです。
これは反面教師として、心して観なければ。

しかし視聴後は切なくも、心が温かくなりました
やっぱり恋愛はいい。誰かを好きになることは、自分と向き合うこと。
誰かを愛せるならば、自分のことも愛することができる。

両想いに限らず片思いで終わったとしても、幸せな瞬間はたくさん味わうはずです。
もちろん最終的に失恋で傷付き、不幸になることも多々あります。私だってどれだけ…、まあそれはおいといて。
でもその痛みを知ることで、人として成長することができ、人生に深みも厚みも出てくるのではないでしょうか。まあ何回手ひどい目にあっても、学ばない方もおりますが。

多分30代以上の独身女性には、いろんな意味で刺さる映画だと思います。
それでも恋愛に前向きなドリスの輝きに、恋愛から離れている人ほど「恋がしたい」という気持ちを再燃させられるかもしれません。

老いらくの恋」は「老い楽の恋」とあらわされることも。
やっぱり人生楽しんだもの勝ち!

コメント

タイトルとURLをコピーしました