先にご紹介した『ARROW/アロー』、およびアロー・バースの『THE FLASH/フラッシュ』の登場人物から成るスピンオフ。それぞれの作品中では端役、とまではいいませんが、主要人物からはずれているけれど、いい味出してたキャラクターたちがレジェンドとして活躍するお話です。
『ARROW/アロー』の一員でオリバーの元恋人の妹(そして浮気相手)だったサラ・ランス、大富豪で天才科学者のレイ・パーマー、『THE FLASH/フラッシュ』メンバーの〈ファイヤーストーム〉として、二人で一つの融合変身体となる超人マーティン・シュタインとジェファーソン・ジャクソン、悪役だった強盗レナード・スナートとミック・ロリー(『プリズン・ブレイク』の兄弟演じた二人組!)など。いろんな理由で本編には出なくなった人物たちが、2016年のある晩、集められるところから物語は始まります。
彼らを集めたのは150年後の未来から来た男リップ・ハンター。
150年後の世界は不死身の暴君によりひどい状態で、そんな世界を救うべく、ヒーローを超えた(あるいはヒーローになり損ねた)存在である彼らが必要だというのです。
とにかくチョイスがいい。本筋を見ていた人ならばわかるであろう、2作品の割を食ったというか、不遇の立場だったキャラクターから、かなりいいところついています。
「寄せ集め」感が満載ながら、それぞれのキャラクターの魅力が最大限に発揮され、本編以上に個性を爆発させてくれるのです。
さらに『THE FLASH/フラッシュ』で幾度となく助言をするAIギデオンが擬人化したり、それまで普通にいたキャラクターがとんでもない正体を隠していたり。
オリジナル作品でも、結構悲惨な生い立ちだったり問題を抱えた彼らですが。スピンオフならではの攻めた設定がほどこされ、突拍子のない展開が単純に楽しめます。
まずはリップに言われるままにタイムマシン〈ウェーブライダー〉で、時空を超えた冒険へと旅立つのですが。元々野党というか、結束のできるメンバーではない。
そんな彼らも生活するうちに、次第に互いを理解し、認め合い、絆が生まれていきます。リーグ・オブ・アサシンの元暗殺者であったサラが、たぐいまれなるリーダーシップを発揮していくのもいい。
最初こそ一つの目的に向かっていくストーリーですが、実はリップには隠されたほかの目的があり、それらを解決するに至って、なんだかんだと可能性が広がり。
シーズンが進むにつれ、一話完結のタイムトラベル・コメディの要素が強まり、方向性としてはそこで安定していきます。
かと思えば、ようやく日の目をみたキャラクターたちが、戦いの果てに命を落とすことにもなり、号泣回も幾度か。
しかし命を落としたキャラクターが、アローバースでお馴染み、パラレルワールドからやってくるドッペルゲンガー(ここでは「同じキャラクターの別人」のこと)として再登場したりもします。さらに時間軸の違うドッペルゲンガー登場もあります。
私はとにかくこの何でもありのたくましい世界観が全体的に非常に好ましくて。
特に悲しい運命を背負っていたサラが、この作品では息を吹き返したように、明るく力強いリーダーとして活躍する姿がこたえられません。
しかし、残念ながら視聴率低下、そしてマンネリ化により(個人的には、そうでもないと思うのですが!)完結を待たず打ち切りになってしまいました。
確かに、ドッペルゲンガー(姿かたちを変えられるシェイプシフターまで)も絡んでの、カップル入り乱れもあり。若干収拾がつかなくなっていた感は否めない。
まあでも最終シーズンまで、しっかり飽きることなく堪能させていただきました。
このドラマだけ見ても面白いとは思いますが、やはり2作品を見ていいる人には、二倍も三倍も味わえる作品といえるでしょう。
亜流のヒーローたち、明日の「レジェンド」の活躍劇を、ぜひ一人でも多くの方に!
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