一見すると典型的ブロンド娘（おしゃれにしか興味のない、美人だけど軽薄なおバカさん）の主人公エル。恋人からのプロポーズを心待ちにしましたが、野心家の彼に「ブロンド女性は妻には向かない」とあっさりフラれてしまいます。
ところがここでめげない彼女。彼の心を取り戻すべく、そのあとを追ってハーバードロースクールを目指すのです。
はじめは「頭の空っぽな女の子」にしか見えない彼女。ビリギャルかよ（それよりずっと以前の映画ですが）なこの流れ、いかにも映画的で荒唐無稽～と思ってしまいます。
しかしこの主人公、実は聡明な努力家であることが徐々にわかってきます。
常にポジティブで「自分」をしっかりと持ちながら、誰に対しても公平な態度で接する裏表のない、まっすぐな気質の持ち主でもあります。そんな彼女はみんなの人気者。
社交クラブ（といえばアメリカのスクールカースト上位層）の仲間たちも、イヤミなお嬢様たちかと思いきや、実は彼女と同じマインドをもつ素敵な女性たちで。受験勉強を頑張るエルを一丸となって応援し、試験の成功を我がことのように喜ぶのです。
漫画のような展開ながら、見ていて実にほほえましくてすがすがしい。
見事ハーバード大学への進学を果たした彼女でしたが、まじめな学生たちの間でギャルギャルした見た目が浮きまくります。そして元カレはすでに堅実な優等生の彼女と婚約済み。
でも彼女はあきらめません。
婚約者から彼を奪ってやろう！なんて邪な目標ではなく。まずは見た目からの偏見を払拭すべく、授業にアグレッシブに参加することで、自分を磨こうと奮闘。もともと賢く、素直に知識や情報を吸収できる彼女ですから、メキメキと成績を伸ばして弁護士への道を歩みだすことになるのです。
わかりやすいサクセスストーリーといえばそれまでです。
でも、この主人公の邪念のない明るさは、ほかで類を見ない最強の好人物キャラです。
落ち込んだ時にネイルサロンを見つけて、キラキラを取り戻し元気をチャージしたエル（ネイル好きには共感の一幕）。そこでネイリストの女性が元恋人とトラブルを抱えているのを知り、さっそく法律の知識で機転を利かせて彼女を手助け。さらにその恋愛までも、全力で応援。
そんな彼女の前向きで迷いのない姿勢は、周りの人々の心を着実に変えていきます。
セクハラ教授に嫌な目にあわされても、彼女の志を知った堅物の女性教授に励まされたり、ライバルだった元カレの婚約者と打ち解けたりとむしろ仲間を増やすことに。
女子力お化けかと思いきや、実は人間力の高さこそが魅力の彼女。その人たらしぶりは、勧善懲悪ばきばきのヒーローのように気持ちが良いです。
続編『キューティ・ブロンド/ハッピーMAX（2003）』でも、そのマインドは変わらず。彼女の見た目で小ばかにし、利用しようとしていた悪者？の部下たちを手玉にとり！彼女のペースに乗せられまいとあらがう一人に、「みんな彼女の信者になったわ」と言わしめる快進撃を見せてくれます。
恋に仕事にいつも前向き。ガールズパワー炸裂のキュートなエルは、見る人にも元気を分けてくれます。自信をもっておすすめしますので、未視聴のかたはぜひ一度ご覧ください！
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