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Series:22「ジェーン・ザ・バージン」season1(2014)-5(2019)

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ご紹介したいドラマ「ジェーン・ザ・バージン」は、ベネズエラのテレノベラ(南米のメロドラマ)『Juana la Virgen(原題)』のリメイク作品です。
コロンビアのテレノベラをリメイクした『アグリー・ベティ』がお好きな方であれば(もちろん私も好きでした)、かなりなじみ安いドラマのはずです。
基本的にラブコメなのですが、メロドラマを地で行くお約束がてんこもり。そしてその展開をラテン系のナレーターがいじり倒すというシャレた設定です。

主人公ジェーンは、大好きなおばあちゃんアルバの言いつけをしっかりと守り、結婚まで純潔を誓う優等生。現在はホテルでアルバイトをしながら、教員を目指して大学に通っています。
警察官で爽やかイケメンの、婚約者マイケルとは超ラブラブ。交際期間は2年にもなる中で、彼女の願いを尊重してその貞操を守り、自身も浮気をしない(少なくともそんな描写はない)、信じがたい好青年でもあります。

そんな彼女に晴天の霹靂ともいうべき出来事が。なんと妊娠が発覚するのです。
彼女は事実まごうかたなき鉄壁の処女。そう、処女懐妊なのです。
ドラマを見ながら、そういうスーパーナチュラルものかしら?とはじめは思いましたが。そうではなくなんと医療ミスが発端であることが判明。
婦人科で、誤って人工授精させられていたというのです。いやいや、そんなことあるかい!と突っ込みたいところですが。そう、それこそがこのドラマ特有のメロドラマいじりの真骨頂なのです。

ちなみに、妊娠を告げられた場に同席したジェーンの母ショマラは、自身はジェーンを16歳の若さで出産(当然処女ではなかった)していながら、23歳のジェーンの純潔は1ミリも疑っておらず「あんたどこのバカ大学なの」と医者に詰め寄ります。
当然医者はうんざりしたように「処女では妊娠しませんよ」と反論。

まあ「親はそう信じていても、娘はヤルことやってんだ!」と思う、医者側の主張が普通正しいですからね。現実では絶対そうですから。
それでもなお、ゆるぎない姿勢で娘を信じる若い母と、彼女が当然のごとく自分の味方だと確信している娘。二人のよき母娘かつ親友のような関係性にほっこりするシーンでもあります。

いずれにせよジェーンが身ごもっているのは事実。ではそれは誰の子どもなのか。
なんと父親は、彼女のアルバイト先のホテルのオーナーラファエルだと判明するのです。
それがまあラテン系のめたくそ色男
彼にはトロフィーワイフ揶揄やゆされる美人妻ペトラがいます。野心家でもある彼女は、自分の地位が脅かされかねないジェーンの妊娠にやきもきします。

実はラファエルは病気のために子どもを作れない体になっており、その前に採取されていた精子があったのですが。よりによって彼の実姉ルイーザ医師にそれが誤って使われたという、とんだ茶番なのです。
まあそこはAh!Telenovelaこれぞメロドラマ的なナレーターとともに飲み込みましょう。

とにかくこのルイーザがトラブルメーカー
毒親ともいえる母親に依存しており、神経質で精神不安定。同性愛であり、ガールフレンドはソシアパスの犯罪者。彼女に振り回され、利用されまくります。
とにかく本人は悪気がないにも関わらず、やることなすこと裏目に出て周りを巻き込む状態です。

さて、そうしている間にもジェーンのおなかの子は育ちます。
信仰心の強いジェーンがもちろん中絶するわけはありません。
彼女に落ち度はなく100%事故のため、婚約者マイケルも現実を受け入れます
もちろん今後子どもを望めない既婚者のラファエルも、思いがけないこの出産を歓迎します。

出産にあたって、ラファエルとのかかわりも増えていくジェーン。上司という立場上、厳格な姿ばしか知らなかったラファエルでしたが、元来思いやりに満ちた紳士
ジェーンは、彼女を心からいたわるその人柄に触れ、次第にラファエルに好感をもつようになっていきます。そしてラファエルも、思慮深く聡明なジェーンに少しずつ惹かれていきます
婚約者のいるジェーンと妻のいるラファエル。メロドラマ~。

正直言って、ジェーンはそれほど美人ではありません。そんな彼女が、爽やかイケメンのマイケルに愛され、ゴージャスでハイスペックなラファエルにまで思いを寄せられるなんて。
ナレーターが何度も「テレノベラ~」と叫んじゃうけれど、メロドラマというよりもはや少女漫画です。

さらに未婚でシングルマザーのもとで育ったジェーンですが、彼女の実の父親はなんとメロドラマ俳優ロヘリオであることがわかります。
いや~メロドラマ的だけど、さらにメロドラマ俳優って遊びすぎ。

よもや自分に娘がいるなど夢にも思っていなかったロヘリオは、ジェーンの存在を知ると当然彼女にメロメロに。イケメン二人に加え、父親にまで溺愛される展開です。
しかしまあ「中年になってから、突如実の子どもの存在を知る」男性夢のシチュエーション。
お約束通り越して、このドラマの流れもうただただ楽しい
まあしかし冗談のような展開の中で、それぞれの葛藤や成長など、ちゃんとした見どころも満載なのが秀逸なドラマです。

またともに暮らすジェーンのおばあちゃんアルバはスペイン語しか話せません。しかし3世代家族のショマラ・孫ジェーンが話すのは英語。しかし彼女たち、スペイン語と英語の受け答えで会話が完璧に成り立っているというのが、日本人には不思議でおもしろい世界観といえるでしょう。
しかしドラマ内でもリアルに移民問題が降ってわいたりして、そこはやはり「アメリカ」の現実を感じさせられます。

そのほか、個性的で魅力的なキャラクターが続々と登場します。ジェーンのビッチな親友や、俳優である父親のまわりの魑魅魍魎としか言いようのない人々。
そして登場人物たちの入り乱れる人間関係。いやはや、なかなかの盛沢山の内容です。
わくわく、キュンキュン、ドキドキ、ホロっと。
最後まで見終えれば、メロドラマの凄まじいポテンシャルを知ることになるでしょう。

ちなみに、最初本気でイヤな奴だったラファエルの妻ペトラが、実はツンデレで時々めちゃめちゃかわいくなるのが萌え。そしてなんなら一番変化(成長)していくところなど、私の一番の推しキャラでした。
さて、あなたの推しは誰になるでしょうか?

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