大手事務所に勤務する弁護士の姉と、仕事の長続きしない奔放な妹。
この映画は、そんな対照的な姉妹が各々の人生を見つめなおす物語です。
姉のローズは幼いころより優秀なしっかり者ですが、自分の容姿に自信が持てず、靴の収集が趣味であるものの自分で履くことはありません。
妹のマギーは周りがうらやむ美貌の持ち主ですが、実は読字障害を抱えており、そのせいできちんとした職に就けていません。
二人は互いにコンプレックスを抱き、一見して相容れない姉妹です。
そんなマギーがローズの家に居候をすることになるのですが。
生活態度を注意された腹いせに、なんと姉といい感じだった憧れの男性を寝取るというえげつない行動を。そしてそれが発覚し、関係が破綻してしまいます。のっけから生々しいですが。
行く当てのなくなったマギーは、疎遠になっていた亡き母方の祖母、エラが住むフロリダの福祉施設へ転がり込みます。
突然やってきた自分勝手な孫に驚くエラですが、施設での仕事を与えて様子を見ることに。
そこでマギーは盲目の元大学教授と出会います。
そして本の詩を朗読するよう請われますが、うまく字を読むことがでない彼女は、ふてくされ開き直ります。そこで彼女の障害に気付いた教授は、彼女を優しく諭し続きを読むように促します。
やがてゆっくりとたどたどしく、なんとか最後まで読み終えたマギー。
それをねぎらうように「君は本当はかしこい」と教授に言われた時の、マギーの表情が切ない。
施設の人々と関係性を築き、徐々に自身の存在価値を見出すマギー。
一方ローズも、新たな恋人と愛を育んでいました。
その後フロリダで再会した2人。
幼い妹を守るために、ローズが優しい嘘をついていたことが発覚したり、姉の幸せを、親友の私が知らないなんて!とマギーが憤ったり。本当は仲良しだった二人のやりとりに、ほっこりします。
ところどころに重いテーマを抱えながら、軽妙なユーモアがちりばめられた本作。
なによりマギー役のキャメロン・ディアスが本当に愛らしく、その表現力に圧倒されます。
そして最後に彼女が朗読する”i carry your heart with me(あなたの心は私とともにある)”のもたらす余韻がなんともいえません。
恋に臆病な姉。夢を見つけられない妹。両親と祖母の確執。
恋に仕事に家族に、悩めるすべての女性に、ぜひ見ていただきたい作品です。
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