物語の舞台は、核戦争が勃発してから97年後の世界。
ほとんどの生物が死滅した中、戦争前に建設されていた宇宙ステーション「アーク」には、総勢2400人ほどの人類が生き延びていました。
数百年後を目途に、放射能の影響がなくなった地球に帰還する予定でしたが、補充のない資源は慢性的に不足。人口削減の一環として、18歳以上の犯罪者は罪の重さにかかわらず、宇宙空間へ放出される死刑が課せられる過酷な状況でした。
そこで資源が枯渇寸前である現状を打破するために、「ハンドレッド計画」の名のもと、18歳未満の少年犯罪者100人が、居住可能かどうか地球に送り込まれることに。
この時点でアークの住人たちはすべて(明言されていませんが、おそらく)ステーション生まれで地球を知りません。
毎日窓から地球を眺めてはいても、そこに降り立った者は誰もいない。
そんな地球に向かうのは、理由は様々ながら、多くが素行の悪い少年・少女たちです。
憧れと恐れ、期待と不安がない混じる中。お調子者の悪ふざけで着陸時にさっそく死亡者が出て、タイトル100より少ない人数からスタートする状態です。
そのうえ彼らの到着場所は予定していた避難場所は遠く、奇形の動物が現れるなど、前途多難です。
主人公クラークは医師の母をもち、自身もその道を目指す聡明な優等生ですが、破綻寸前であったアークの現状に立ち向かい死刑となった父をかばう形で犯罪者と認定され「100」の一人となった人物。
地球に降り立って以降は、そのリーダーシップをいかんなく発揮し荒ぶる彼らを次第に統率していくのです。
シーズン1はそんなすさまじい状況ながら、前半は恋愛がらみでティーンエイジャードラマ要素強めです。
しかし実は地球にも生き残った人類がおり、いくつかの種族となって点在していることが判明。
彼らとの戦いや駆け引き、仲間内での裏切りや争いといったサバイバルへ、ストーリーは主軸を移していきます。
絶対に起きてほしくない、核戦争がすでに起きた後の世界です。
風の谷のナウシカに行きつくよりはずっと前の、科学がまだ十二分に機能する段階。
しかし地球にはすでに原始化した種族もおり、SFとサバイバルアクションが交錯。
シーズン2以降では、地球でたくましく生き延びた子どもたちのもとへ、アークの大人たちも参戦。しかし彼らは覇権争いに明け暮れ、協力しあうよりも互いに足を引っ張りあう状況に陥ります。
それにしても、先に到着し辛酸をなめた子どもたちに対し、あとから来た大人たちの情けないこと。
あらゆる困難に際し、必ずと言っていいほど過ちを犯し、どんどん利己的になっていきます。
主要キャラクターたちは、おおむね成長しながらも、取り返しのつかない失敗を繰り返します。
敵・味方が入れ替わり、誰か善で何が悪かも立場や場面によって変容していきます。
そして良くも悪くも「自分が絶対」のクラークは、主義主張のために、どんな恐ろしいことでも成し遂げる伝説の人物に変貌を遂げます。
はまれば一気見必至です。でなければ途中で飽きるというより、登場人物たちの自己中ぶりに疲弊・食傷して脱落することでしょう。
登場人物はほぼすべて、当初から人格が様変わりします。
サバイバルなので当然、主要キャラもどんどん死にます。推しが消えたり、嫌な奴に変貌したりして、離脱する人もいるかもしれません。
ストーリーはどんどん壮大になり、どこでケリをつけるのかと思ったら、宗教色強めのスピリチュアルな世界に向かっていきます。
アメリカドラマの「終末もの」ですので、そこは必至といえなくはないかもしれません。
最終シーズンのキーワードは「トランセンデンス」。
ジョニー・デップ出演の映画を見られた方が思い浮かべる、そのイメージに近からず遠からず。エキセントリックな科学と宗教の融合とでもいえばよいでしょうか。
シリーズ序盤とはだいぶ様相が変わっていきますが、しかしストーリ―としては確かにおもしろいので、海外ドラマ好きは必見でしょう。
「ジャッジ」はあなたが下してください。
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