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Series:17「クレイジー・エックス・ガールフレンド」season1(2015)-4(2019)

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本日ご紹介するのは、アメリカのミュージカルコメディドラマ
題名にある「クレイジー」の文言を裏切らない、相当やばい主人公が最高にイケてます
そのぶっとんだキャラを演じる舞台俳優のレイチェル・ブルームは、ドラマの製作者・脚本家でもあるというからすごい!

主人公レベッカ・バンチハーバード大学とイェール大学のロースクールを卒業したまごうかたなき才女。卒業後もニューヨークの大手事務所で超エリート弁護士として大成功をおさめていました。
はたから見れば完璧な人生です。しかし当人は、どこかで「満たされていない」と感じていることに気がつきます。

そんな折、高校時代に短期間交際していた、元カレジョシュと偶然再会します。
一方的に運命を感じた彼女は、なぜかジョシュととヨリを戻すことで幸せになれると確信。
ジョシュとの新生活を夢見た彼女は、突如としてニューヨークでのキャリアを捨て、彼の住む町へ引っ越すことを決意するのです。

いや単純にストーカーだし、怖すぎる。
しかしその有能さで彼の足取りを着実につかみ、トントン拍子でその町の弁護士事務所に転職する流れは、ポップで実にあざやかです。
「バンビのよう」と称されるクリクリのかわいい目で、惜しげもなく見事な巨乳をアピールするレベッカですが、あざとさは感じさせず。むしろ立ち居振る舞いすべてがチャーミングなんです。
少々ぽっちゃり体型なのもいい感じです。
ミュージカルですので要所要所で突然歌い踊り出しますが、その完璧な歌唱力でタイミングも内容も最高。

そして単細胞なジョシュは、彼女が移り住んできたことに一ミリも不信感を抱きません。普通に「偶然の」移住を受け入れて、ますます彼女をヒートアップさせます。
しかしそんな彼の愛すべきアホっぽさは、レベッカの動向に震える視聴者を和ませてもくれます。

ところがジョシュにはバレンシアというスレンダー美女である長年の恋人がいました。二人は高校時代のプロムキングとクイーンというパーフェクトカップルです。
そんな彼女ですが非常に高圧的で、最初はいけ好かないキャラクターです。しかしもちろん彼女をつけ狙うレベッカに振り回されるうちに、次第にキャラが崩壊していきます。
やがて自身の生き方を見つめ直すようになるバレンシアは、物語が進むごとに魅力が増していく私の推しキャラです。

そのほかに町で出会う人々ともみな素敵。
同じ職場のポーラは、レベッカほどの人物がなぜこんな田舎の事務所に来たのか?いぶかしく思い、その身辺を探り始めます。
事務員なのかパラリーガルなのか、高校生の息子をもつ母親でもあるポーラですが、意外や非常に有能。洞察力を駆使した調査能力とハッカー並みの技術で、レベッカがストーカーであることを探り当てます
そして彼女を追い詰めるのですが、話を聞いてなんとその思いに賛同
二人で協力して、ともにストーカー行為をエスカレートさせていくことになるのです。
その際に二人で黒ずくめのコスチュームを身に着けるなど、ドリフターズさながらの古典的コントぶりがかわいすぎ。やってることはシャレにならないのですが、ある意味ピュアな二人が犯罪のプロと化していく姿をうっかり応援しちゃいます。

そんな二人の上司ダリルは、一見おひげのダンディ中年ですが、レベッカの自分勝手さのあおりをうけるわ、自分がストレートではなくバイセクシュアルだと気づきパニックになるわ、いい感じの被害者ぶり。
そんなダリルの初めてのボーイフレンドになるのは、ジョシュの友人で同じ名前のイケメンマッチョ。ジョシュはアジア系の茶色い肌のため、白人の彼はホワイト・ジョシュと呼ばれています。こういう人種的なところをサクッといじれる軽さも、このドラマの特徴かもしれません。

レベッカの近所に住む学生ヘザーは、犯罪心理学を専攻しサイコパスについて勉強しているため、レベッカの常軌を逸した行動に興味津々。
クールでロックな見かけながら、意外と子供っぽいところがかわいい。
ジョシュの友人でバーテンダーのグレッグは、愚かにもレベッカに恋してしまうものの、まあレベッカに惹かれるくらいだから結構なクセモノ。

とまあベースはぶっとんだドラマですが、実はレベッカが母親との関係でトラウマを抱えており、ポーラに対しても親友である以上に「母親」として依存している状況や、ドラマ内で境界性パーソナリティ障害の診断が下るなど、そのずば抜けた頭脳に隠れてきた問題も明らかになっていきます。
その他登場人物たちもそれぞれの苦悩が露見し、新たな転機があり、コメディとは思えない奥深さも随所に見られます。

個人的には、最終シーズンでグレッグ役の役者さんが別人に変わったのに対し、「なんか感じが違う」という周りに「人の見え方」なんてそんなもんだ、という哲学ぶっこんでくるところとか好きです。
ドラマの途中で、登場人物の俳優が変更されるのは大嫌いなのですが、これはかなりいいとこ突いてきましたね。

最終話のあとに、登場人物たちの歌とダンスのショーが一話分あるのですが、これもよかったですね。私は最終回の余韻に浸りながら、連続で3回くらい見直しました。

まあ軽~い気持ちで視聴してみてください。
まずは歌とダンスの完成度に感心、やがて背後にある深淵さに、しみじみはまっちゃいますよ!

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