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Book:4「宇宙はなぜこんなにうまくできているのか」(2012)村山 斉 著

この広い宇宙のどこかには、未知の生命体が存在するかもしれない。
しかし仮に存在していたとしても、微生物どまりかもしれない。
進化の過程で、絶滅しているかもしれない。

そう考えると、いかに私たち「人間」が誕生したことが奇跡に近いのか、地球がいかに恵まれた惑星か、再認識させられますよね。

逆に、そもそも人間が存在するためにこの宇宙はある、という考えすらできます。
実際そうでなければ説明がつかないほど、宇宙の進化は人間に都合がいいのです。
その考えはつまるところ宗教、「神様が宇宙(人間)を創ったから」というところに帰着しそうですよね。事実、長い歴史の中で教会はそうとらえ教えてきました。

先日お勧めした「科学者はなぜ神を信じるのか」では、宇宙があまりにうまくできているので、真理に迫るほどに科学者は神の存在を感じずにいられない、ということをお伝えしました。
今回おすすめするこの本は、その逆の理論といえるかもしれません。

このタイトルを初めて目にしたときに、そういえば実際に宇宙ってうまくできているよなあ、くらいに思い、その中身に興味をもって本書を手にしました。
そして読み進めるほどに、なるほどビッグバンって実によくできている!暗黒物質ダークマターってそういうものだったのか…え?ブラックホールってそういうこと!?
名前だけは知っている、難しいと敬遠していた言葉が、次々としみこんでいくのです。

そもそもマクロの宇宙をひも解くのに必要なのが、ミクロの素粒子だったなんて。
自然と素粒子物理学の魅力に取り込まれました。
素人の入門書として文句なしの一冊ですが、専門の方も多く感銘を受けていらっしゃるようです
宇宙がどのようにして現在の形になったのか、その背後にどんな物理法則があるのか。
最新の宇宙理論を、中学生にも理解できる文章でつづったこの本は、読む相手を選ばない名著です。

その後別の著書も何冊か手に取らせていただきました。「新書大賞2011」を受賞した『宇宙は何でできているのか』も、さらに素粒子物理学の世界を知るすばらしい名著ですが、やはり最初に手にしたこの本の感動が一番大きかったのでおすすめします。
あなたも改めて、宇宙の神秘に触れてみませんか?

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