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油を味方につける⓪~油の役割と撮り方~

油は体に悪い?

たっぷりの油でカラッと揚げ物は幸福の味。脂のたっぷり乗ったお肉は魅惑的。
しかしいわずもがな。も、過剰摂取は健康(そしてダイエット)の大敵です。

一昔前は単純に、油は悪そのものとみなされCut Oil”が主流でした。
私自身20代の頃は、ドレッシングは「ノンオイル」しか口にしないようにしておりましたし、テフロン加工のフライパンで極力油なしの調理を心がけておりました。
ところが油抜きでは肌はカサカサ、脂肪だって燃えない。徐々にその必要性が見直され、むしろEat Oil”と言われるようになって久しいですね。

油は体に良い?

先にあげた油を駆逐せんばかりの時代でも、なんとなくオリーブオイルは良さそうだという認識はありました。

しかし友人の話ですが、イタリア人の知人「あなたたち(日本人)はいいわね、太らなくて。私たちは子どもの時からオリーブオイルをたくさん食べているから、年を取ったらみんな太るのよ」と言われたとか。
確かにイタリア料理の「これでもか」のあのオイル使い。過剰であれば、そりゃあいいものも悪くなります。

不飽和脂肪酸オメガ系3・6・9をバランスよくとるべし!

では体に良い油とは何なのか。
その答えはオメガ系と呼ばれる不飽和脂肪酸です。
「常温で固体となる」ことが多い飽和脂肪酸(肉の脂身バターなどに多く含まれまる)に対し、「常温で液体となる」ものが多い油、と言ったらわかりやすいでしょうか。

特に魚介類アマニ油などに多く含まれるオメガ3脂肪酸」は、血中の中性脂肪を下げる、いわゆる血液をサラサラにする効果が期待できます。

体内で作ることができないので積極的に摂りたい良質な油です。

サラダ油ゴマ油などに多く含まれる「オメガ6系」のリノール酸は、3系と同じく体内で合成できないため、食事から摂取しなければならない必須脂肪酸
コレステロール値を低くしたり、血栓を防いだりする効果があるといわれています。
しかし摂りすぎると、花粉症などのアレルギー症状を起こしやすくなったり、高血圧や動脈硬化などのリスクが高まったりするともいわれます。
体には必要ですが、通常の食生活で欠乏することはなく、むしろ摂取しすぎることがあるため要注意です。

オリーブオイルを代表とする「オメガ9系」のオレイン酸も、健康のために取り入れたい油ですが、こちらは体内で作り出すことができるため、食事からの摂取は適量に抑えたい油になります。6系同様コレステロールを適正に保つ働きがあり、中でも悪玉コレステロールのみの値を下げる点が特徴です。

実はこれらの油は、バランスよくとることが何より大切
「ナッツ類」は、このオメガ3・6・9がバランスよく含まれている優れものであるため、美容アイコンともなっているのですね。

不飽和脂肪酸の中でも「トランス脂肪酸」は要注意!

ところで10数年前から欧米ではかなり厳しく規制されるようになったのが、トランス脂肪酸とよばれる油です。
マーガリンショートニングのように、不飽和脂肪酸にもかかわらず「常温で固体となる人工の油がそれです。
ほかの不飽和脂肪酸と構造が違うため、その作用も異なりサクサク感をもたらし、ケーキやパンに多く使用されています。
またオメガ系の植物油であっても「高温にする」ことでトランス脂肪酸が含まれるため、フライドポテトなどの揚げ物やスナック菓子にたくさん入っています。
いわゆる「おいしい」ものに多く含まれているものです。

ところがこのトランス脂肪酸は、過剰に摂取すると、血液中の悪玉コレステロールを増やし、善玉コレステロールを減少させてしまいます。悪玉コレステロール値が高いと、動脈硬化や心筋梗塞などのリスクを高めるため、トランス脂肪酸が問題視されるようになったのですね。

マーガリンとバターはどちらがよい?

昔はバターよりカロリーの低いマーガリンが体にいいと思われていましたが、トランス脂肪酸の弊害が知られるようになり、バターを選ぶ人が増えました
しかしバターのこってり感より、マーガリンの軽い口当たりを好む人も多いはずです。

普段からパン食の欧米人は、やはりトランス脂肪酸の摂取が多くなりがちなので、マーガリンは控えた方がよさそうです。
しかし米食である日本人は、通常の食生活であればトランス脂肪酸の過剰摂取にはなりにくいのです。

また現在では製造法も工夫されていて、マーガリンに含まれるトランス脂肪酸はかなり抑えられているとのこと。
健診でコレステロール値が正常の方であれば、それほど神経質にならなくてもよいようです。

コレステロールとは?~一昔前の卵神話にみる~

私が子供の頃(30~40年前)「卵は一日一個まで」というのが、絶対的強制力をもっておりました。コレステロール値の高い卵は、1個分が1日の摂取上限とみなされていたのです。

ところが食事から摂取するコレステロールが必ずしも体に蓄積されるわけではありません。このため食物に含まれるコレステロールと血中コレステロール値の上昇には、それほど強い相関関係がないことが近年明らかになってきました。
今では、いくつ食べても(限度はあるでしょうが)特に問題ない(やはり控えた方がいいという医療関係者もいます)と言われるように。
オムレツやオムライスで、一気に2~3個はいただきたい卵好きには朗報です。

またコレステロールには悪玉と善玉がありますね。
悪玉(LDL)コレステロールとは、肝臓でつくられたコレステロールを全身に運ぶ役割があります。
コレステロール自体は、体に必要な物質です。「悪玉」という名称ですが、正常値であれば体に有用な役割を果たしてくれるものです。もちろん過剰になった時には、沈着してしまうため問題になります。しかし私自身、健診で「悪玉コレステロールが低い」ことでマイナス評価が付いてびっくりしたことがあります。低い分にはまったく問題がないと思っていました。

善玉(HDL)コレステロールの方はといえば、逆に余分なコレステロールを肝臓に戻す役割をしています。しかし多すぎると炎症反応を起こし、健康を害する恐れがあります。また、そもそも「多すぎる」状態になるのは、何らかの疾患が隠れていることも考えられます。

要するに、大事なのは二つのバランスが正常に保たれていることなのです。その比率が正常であれば、体内には必要なコレステロールのみが配備されるのです。
そして先のオメガ系オイルを上手に摂ることが、このバランスを保つ秘訣になるのです。

やっぱり和食が一番!

そんなコレステロール値を正常にするオメガ3系といえば、西洋の油やナッツ類などのα-リノレン酸がまずは浮かぶかもしれません。しかしなんといっても日本人になじみ深いのは、EPADHAといったお魚に含まれる油ではないでしょうか。
お魚が苦手でなければ、積極的に和食を取り入れることで魚の摂取量、ひいては良質な油の摂取量が増えるはずです。もちろん和食には、ほかのメリットもいっぱいであることはいわずもがなでしょう。

ここでは健康によい油の摂取に、私自身のおすすめとしては「和食」ということで締めくくらせていただきます。
しかしそれぞれの食生活や嗜好で、いろんな方法があるかと思います。

どんなに体にいいことでも、嫌なことを我慢するのが健康的なわけがありませんし、そもそもストレスほど心身に悪いものはありません
ですからぜひ。楽しみながら続けられる方法を、見つけてみてくださいね!

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