アメリカではロスティ(Lostie)と呼ばれるカルト的なファンを獲得し、関連のファンサイトでも盛り上がりを生んだ、大ヒットドラマです。すでにご覧になった方も多いかもしれません。
謎や秘密を中心に展開されるそのマニアックなストーリーは「ミステリーボックス」と呼ばれているようですね。引き込まれたら最後、一気見せずにはいられません!
物語は、飛行機墜落直後の混乱状態から始まります。
シドニー発ロサンゼルス行きボーイング777「オーシャニック815便」が墜落したのは、南太平洋にある謎の島でした。生存者は48名。すぐに救助隊が来るものと楽観視していた面々でしたが、一向に助けが来る気配はなく、さらに夜になると怪奇現象が起き、ジャングルにはホッキョクグマが生息するなど、常識では到底考えられないような事態が次々と発覚していきます。
そのサバイバルの過程で、主要人物たちの特性が描かれ、それぞれの過去がフラッシュバックします。そのうえで、より深まる島の謎に視聴者は翻弄されること必至です。
やがて島の反対側に他の生存者がいることも判明。島の先住民や正体不明の組織も現れて、いよいよ物語は佳境へ。
一通り登場人物たちの過去が見えてきたところで、今度はフラッシュフォワード、それぞれの未来の様子が挿入され物語は進みます。そこにタイムトラベルまで絡んでくるのでややこしいことこの上ない。
そんな過去や未来が交錯する展開は、一見非常に複雑ですが実にうまい布石となって、のちの伏線回収につながっていきます。
さらに最終シーズンでは、命を落とした登場人物まで復活するパラレルワールド「飛行機が墜落しなかった世界」が本筋の物語と交互に進んでいき、いったい何事!?と見るものをさらなる混乱に陥れていきます。
正直、最終回の後にもわからないことが多すぎて、ネットでネタバレを検索しまくりました。
なんといっても謎解きがメインですので、あまり内容には触れないでおきますが。
私の場合は、色々な見解を調べて再度全話見直したことで、ようやく色々府に落ちました。
そもそも何がわからなかったかというと、背景にキリスト教的世界観が色濃くあったことです。
アメリカでは仮にキリスト教でなくても、一般論として理解できることも、キリスト教徒1%強の日本人には通じないのですよね。
また別の機会でも触れますが、ドラマ『ハンドレッド(The 100)』『スーパーナチュラル』『ルシファー』なども同様に、キリスト教における「天国」の概念や、聖書の概要理解、「最後の審判」の基礎知識がないと、わからないことが結構あるのです(なくてもドラマ自体はそれなりに楽しめるのですが)。
私が海外ドラマを見る目的の40%くらいは英語のリスニングのためですが、当然言葉だけではなく、歴史や文化・習慣などの理解も必要になってきます。そして視聴する数が増えるごとに、いかに「宗教」の要素が日本人には共感しづらいか、痛感してきました。
このドラマは控えめに言って、傑作です。しかし「宗教観」にとことん振り回される一作でもありました。最後のパラレルワールドの解釈に、がっつりキリスト教の考え方が反映されているからです。
そういう意味では「おすすめ度」は若干下がりますが、ドラマ好きなら一度挑戦する価値アリ!とだけ、最後にお伝えして終わりたいと思います。
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