ライダーの聖地:阿蘇山へ(2023年6月)
Level46誕生日ソロツーリングへ
ゴールデンウイークに奄美大島で、1日5時間ほどのツーリングを楽しんだ私。
今度は陸続きで同じくらい走ってみたいわあ、と夢みるように。
折しも近づいていた、その年の誕生日(Level46)が土曜日でした。
誕生日ソロツーリングとかかっこよくね?しかも1泊できるから結構いけるんじゃね?
突如としてライダーの聖地、熊本は阿蘇山への旅を思い立ちました。
Google先生にお尋ねすると、鹿児島市からは一般道で5時間半ほどとのこと。うん、距離完璧。
しかし時は6月下旬。
先の奄美ではもう梅雨が明けていましたが、日本列島は完全に梅雨真っただ中です。
当然天気はよろしくない。
しかし行きたい。
調べるほどに、呼ばれている気しかしない。
そぞろ神のものにつきて心を狂はせ、道祖神の招きにあひて取るもの手につかず。
長期天気予報を見ると曇天、少なくとも大雨は免れそう。
よし、当日土砂降りでない限り決行だ!と阿蘇の宿をおさえ、プランを練り始めたのでした。
梅雨の合間に、初の一泊ソロツーリング
鹿児島市の自宅を出発
当日は曇り空ながら、雨は降らなさそう。
しかし早めに熊本に到着するにこしたことはない。
高速道路は怖いと思っていたのですが、南九州自動車道(南九州西回り自動車道)なる国道と高速道路(無料区間も多い)の連続道路を試しに走ってみることにしました。
朝7時に自宅を出発し、国道3号線から田上ICへ。片側一車線の高速道路(四国で経験以来!)ですので、わりと気楽にいけました。「休憩は1時間ごと」と思っていたので、ちょうど一時間程走ったところでたどり着いた、川内市(宮城県にあらず、無論まだ鹿児島県内です)のマクドナルドへ。
少し遅め(8時すぎ←5時半起きには)の朝食に朝マックで一息ついていると、同年代の女性の店員さんが「バイクですか?すごいですね‼」と。お客さんが少なかったので、駐車したところを見ていたようです。お店を出るときには「気を付けて!」とお声がけもいただきました。
いかに人見知りとはいえ、こういうやりとりはほっこりいたします。
そこから熊本までのルートは、海沿いか山道か。今回は海沿いをチョイスしました。
鹿児島から福岡へ日本海沿いに伸びる国道3号線の一部。高速と国道が連動している形なので、まあ国道を走っていると、ところどころ自然と高速に乗っている(自転車・歩行者・125㏄以下のバイクは不可なので迂回路あり)感じではありますが。ほとんどが無料区間なのが嬉しいところ。
そして進むこと一時間弱。ビーチ併設の素敵な道の駅阿久根で休憩することに。
曇り空とはいえ、やはり島育ちですから。海が視界に入っているだけでも幸せ。
そして海風を浴びながら飲む缶コーヒーの得も言われぬ味わい。
この時点で9時半頃。
ここからは2時間超ただただクラッチを操り、ギアを変え、車窓ならぬヘルメット越しに流れる景色に身をゆだね、ノンストップ走行に入りました。
最高のバイク行(私の造語です)に心が洗われます。
ツーリング初越県、coming in 熊本!
出水市から熊本県水俣市へ初めての越県を果たし、日本海に沿った街々を黙々と疾走すること1時間ちょっと。熊本市内に到達いたしました。
海沿い走りたさに遠回りはしておりますが、あくまで阿蘇が目的地のため、震災後の復旧具合は気になるものの熊本城は遠目で見るのみに。
そうして市街地を抜けたところで、本日2度目のマクドナルド(11時)にてコーヒー片手に休憩。その後のルート確認をいたします。
甘いものが苦手で、アイスなど普段口にすることのない私ですが、なんだかいつもと違うテンションを鎮めるために?ソフトクリームも食してみました(1~2年に一度くらい気分がのって食べます)。
そこから菊池郡菊陽町・大津町を抜け阿蘇市へ向かいます。
大津から阿蘇へのアクセス王道は、外輪山(火山のカルデラ縁)に延びる絶景のミルクロードですが。
今回は新たに開通したという、国道57号線北側復旧ルートを通ってみることにしました。
いきなりの山道にチキったのが本音ですが…。
ついに憧れの阿蘇到着!
ところで私、「阿蘇」についての予備知識がほとんどない状態(熊本市は何回か行ったことがありましたが、阿蘇市はまったく初めて)で向かいましたので、大津ICから(通行無料の自動車専用道路)走ること数分、二重峠トンネル超えると、平地が広がる阿蘇市の風景にまず驚きました。
熊本市の観光サイトで、この道を抜ける映像がありましたので、ぜひご覧ください。
阿蘇市全体が「山」だと思い込んでいたので、チェーン店はじめたくさんのお店もある普通の市街地なのも意外でした。
しかしそんな市街地も、少し走るとすぐにのどかな田畑が広がり。
その先に見えるのは新緑萌える阿蘇山の麓です。
鹿児島湾に浮かぶ活火山桜島の絶景を見慣れている私にも、風情の異なるこの緑の火山連には、一瞬で引き込まれるものがありました。
この頃には、あちらこちらにバイカーの姿も。
そして思った以上に自転車ライダー達の姿も。すげえ、山道走るのね。
とりあえずその麓の裾に向かって進みました。近づくほどに心が躍ります。
山裾にたどり着き、改めてナビをチェック。阿蘇山の景勝地、草千里を目指すことに。
赤牛丼…はお預けながら、赤牛バーガーを楽しむ
というかすでに14時です。おなかすいた。
本当は名物「赤牛丼」を食べたかったのですが、よさげなランチはすでに終了しています。
そこで道すがら「赤牛バーガー」の旗に惹かれて通りのカフェへ。テラス席がよき。
ほかにお客さんは車の一家族のみ。ライダー慣れしている店員さんに「女性のソロライダーの方は、さすがに「珍しいですよ」とお声がけされつつ、サーブされた赤牛バーガーに舌鼓♪楽しい…。


これぞ阿蘇!の景色に胸躍る
おなかも膨れたところで戦線復帰。
米塚草原を抜ける道なりは「これぞ阿蘇!」の風景が広がります。


出身である南の島で植物といえば、青い空と白い雲のコントラストも相まった、ビビッドな濃い緑や赤が基調。常緑樹にも色の変化は一応ありますが、紅葉はしないし基本は年中青々しい。
そんな私からすれば、柔らかな黄緑の草そのものが馴染み薄く、少々天気が悪くてもテンション爆上がりです。
すれ違うライダーたちは高確率で手を振っていく(ツーリング中のライダー同士のお約束のあいさつ)し、草原を縫うように走り抜ける感覚もたまらない。そうこうしているうちに、目指す草千里ヶ浜展望台へ。
曇天のため、事前に写真で見たような絶景ではないので、降りて散策はあきらめ、今回は展望台から少し眺めるのみにとどめました。でも素敵。

いずれにせよ、まだ降っていない今日中に、行けるところは行きたい。というか、走りを楽しみたい。
そこで景色うんぬんではなく、その道筋を味わうことに。
ライダー好みのコーナリングを堪能
まずは草千里から「阿蘇パノラマライン」を下り、絶対に通ろうと思っていた、ライダーに人気の高い南阿蘇「ケニーロード」へ。
初心者にはあまりおすすめではないとネットに紹介されていたのですが、意外と素直なワインディングロード(山道や峠道のようにカーブが連続する道)でした。そもそも先に、奄美の山道を小1時間(半分迷子で)走ったのに比べれば、むしろきれいな舗装道路です。
うん、でもやっぱりこのコーナーリング楽しい。
スキーでターンしながら滑る感覚でしょうか。まあ私は小学生の時、お子様ゲレンデ(バブル期の苗場スキー場にて)でまっすぐ滑り降りた経験しかありませんけど。
というわけでケニーロードを通れたので、次は「やまなみハイウェイ」も制覇したい。
しかしこれは北(大分)側からのアクセスインでもあるため真逆の場所。
しかし攻めたい。
GoogleMapのお力を借り、麓を回る形で北側へ進むと、1時間たらずでたどりつけました。
とはいえガッツリ走ったら大分に行ってしまう。
実際は景勝地大観峰への経路でちょっとだけ走っただけで「通りました」という既成事実ができたのみになりました。でも満足です。
そしてその展望も、予想通り曇りであまりよろしくないので、大観峰も「行きました」のスタンプラリーを胸の内に押したのみにはなるのですが。
まあもう夕方だし、私的には達成感大。
宿へ向かいつつ締めくくり
17時になろうというところでしたので、あとは目的のひとつ阿蘇神社へ。
繰り返しますがこの日は私の誕生日。誕生日詣という自己満足が最高潮。
平成28年の熊本地震被害の災害復旧をまだ終えていなかったのが痛々しかったのですが(令和6年12月に完了したようです)、復興を願いつつ参拝です。
ただライダーの聖地なのに、駐輪場が見当たらなかったのは少しがっかりでしたが…。
最後に道の駅阿蘇に寄り(こちらは立派な駐輪場有)、隣接する阿蘇駅ロータリーに設置された、ウソップ像(像熊本県出身の漫画家・尾田栄一郎さんの人気漫画『ONE PIECE』キャラクター)を拝んで宿へ。



事前に予約した宿あそ兵衛は、温泉宿ではないものの、お風呂がたくさんある素敵な宿。
お食事も売りでしたが、特に食事にこだわりはないので、素泊まりキャビン的な部屋に一泊させていただきました。



甘いものが食べられない私はケーキいらず。近くのスーパーで買ったか地元総菜とビールの晩酌です。
誕生日とは、生んでくれた親へ感謝する日。
毎日健康でおいしく飲める幸せをかみしめ、両親に敬意を表しつつ一人酒を楽しんだのでした。
翌朝は、予報通りのしとしと雨です。
隣のコンビニで仕入れた朝食を済ませ、しっかり雨具を着込んで7時には出発することに。
巳年の私は、蛇にゆかりのある神社もいくつか調べていました。
実は宿からバイクで10分ほどの距離に、赤水神社という生きた白蛇をご神体とするところがあり、帰りに訪れる予定だったのですが。さすがに早朝のためご神体を拝めることもなく、少し立ち寄ったのみで今回はあきらめました。
その後一般道で5時間かけて、一切やむことのない雨の中帰路へ。途中、大好きなワークマンで長靴を購入しつつ、カッパを脱ぐのが面倒なので最小限の休憩で鹿児島へたどり着いたのでした。
2度目の阿蘇山:天草経由で(2024年8月)
山の日に山の神にいざなわれ…
さて翌年の誕生日は残念ながら平日。本当は誕生日恒例行事にしたかったのですが。
しかし阿蘇はまた行きたいなあ。そう思っているうちに、カレンダーの連休を目にしうずうずしてきました。
てか今度は天草経由なんてよくない?一度思いつくと気もそぞろ。
その気になったら、実行せずにはいられない。はい、宿をおさえて出発です。
今度はフェリーで coming in 熊本
前回と違い天気は良好!しかし今度は暑すぎる。
そりゃあそうです真夏です。私は多分本物の阿呆です。
前回と同じルートの川内マックで朝食を済ませ、鹿児島は長島町の蔵之元港から、熊本県天草市の最南端牛深漁港へ向かいます。11時発のフェリーで天草へわたり、阿蘇手前の宿までが本日の旅程です。
桜島フェリー、垂水フェリー、鹿児島⇔奄美(一晩12時間)・鹿児島⇔沖縄(一昼夜25時間)フェリーに続く、バイクの船旅。
わずか30分ですが、ツーリングを特別にしてくれる大好きな時間です。

牛深港での待ち時間と船内あわせて、天草の観光マップを眺めつつ天草でのルートを決めました。
行き当たりばったりの天草ツーリング
教会は一つは見たいので、とりあえず一番最初に世界文化遺産「天草の﨑津集落」内「﨑津教会」へ。私はあまり建築物への興味がなく造詣が薄い。よってただクラシックできれいだなあ、と思うだけではあるのですが。
観光客もほかに2組ほどしかなく、ゆっくり外観を眺めることができて、在りし日の信者たちの苦難に静かに思いを寄せることができました。
その後は海沿いの道路をのんびり走ります。奄美の海沿いにとても似ていたのが不思議でした。
ところで偏食の私は生の魚介類が食べられないため、国内旅行で海鮮料理を楽しめない残念な日本人です。
そこで事前に天草でよい食事処はないかネット検索していたところ、地元料理ではありませんが天草市に評判のタンタンメン屋さんを発見。
時間も正午を回っていますので、そちらへ向うことにしました。
噂通りの人気店。待ちのお客さんが多い。
仕方なく外で待っていたところ、40分経っても順番が回ってくる気配がない。
ここでこのロスタイムはいただけない。縁がなかった…とあきらめ、近くのスーパーで買ったおにぎりをほおばり、泣く泣く出発することにいたしました。
次は倉岳山頂、倉岳神社(天空の神社と呼ばれる、海を見渡す神社)に向かいたかったのですが…。
実はあまりの日差しの強さに、けっこー体力を失っていた私。山頂に向かう山道はちょっと不安だし、すでに14時。天草通り抜けの観点からはかなり遠回りになるため、こちらも断念。
その後、北側の幹線を走り道の駅有明リップルランドで休憩。
こちらはレストランで有明町の名物タコ料理が味わえ、全長100mのスーパースライダーやバッテリーカーを楽しめる広場や、展望露天風呂がある温泉施設「さざ波の湯」も併設したすてきな場所です。
せっかくなので名物のデコポンソフト(私には昨夏の熊本マック以来のアイスクリームです)片手に、陸橋で国道324号線沿いにある四郎ヶ浜ビーチへ。天気のいいビーチは大好物。
そしてそこには実にシュールなタコのモニュメントがあり、思わずスマホのセルフタイマーで自撮りしてみました。


二度目の阿蘇へgo!
あまり観光らしいことはできなかったけど、空気間は堪能しました。よし、今回の天草はこれで満喫。
あとはそのまま宿に向かうことに。
松島有料道路を経て、島々をつなぐ国道266号を北上し宇城市へ。そこからはナビで、田んぼの中を抜けていきます。海沿いじゃない道もオツ。
バイク神社&阿蘇バイカー御用達ホテル
コンビニ休憩を一度はさみ、予約していたHOTEL AZ 熊本大津店を目指します。
気になっていた道の駅大津オートバイ神社向かいのホテルのため、先にそちらに寄り道しました。
思ったよりちっちゃい!けど、ご神体CB1300様がまぶしい。

ツーリングの無事を拝んで、17時すぎにホテルチェックインです。
というか、さすが阿蘇入口最前のホテルです。ライダー多し!
ホテル内のファミレスで晩酌を楽しみ、翌朝に備えます。


AZホテルは早朝6時からの朝食バイキングが早起きの味方です。
正統派!?ミルクロードで阿蘇へ
たっぷりエネルギーチャージして、7時に出発しましたが、すでにバイカーたちが走り去った模様。
少々出遅れた感!?
ホテルがある交差点を東に行くと前回通った高速道路。
もちろん今回は北向きにミルクロードを攻めます。
蛇にまつわる神社に再チャレンジ
「これか!」という草原の中を抜け、再度赤水蛇石神社を参拝。白蛇様は今回も会えず。
まだ朝早い時間ですから、境内にいたのも、地元の氏子さんと思しきおばちゃんが一人でした。
ライダー慣れしている彼女に、にこやかに「運転気を付けてね」とお声がけいただいたのが嬉しい。


そしてもう一つ、阿蘇白水龍神權現(白蛇神社)へ。こちらもご神体に生きた白蛇と聞いていたのですが、まだ早かったのか見ることはできず。
茅の輪くぐりができたので、ネットでみたお作法(左周り、右回り、再度左回り)にのっとり、地神様に謝意を表します。よくわからないけれど、敬意を示せばよいのかなあ、と。
ふわっと堪能して、次につなげます
その後また麓をぐるりと回り、いっそ宮崎の高千穂へ抜けようか?と夢見つつ、それはまあ次回に繰りましょう。
再び草千里ヶ浜を抜け、道の駅阿蘇を冷やかして、早々に10時前には帰路につくことにしました。
帰りは日本海沿いをひた走り、熊本の銘菓「陣太鼓」(家族の好物)を、熊本最南八代店で購入して熊本旅コンプリートとあいなりました。
阿蘇はやはりいい。
今年は秋ごろに、3回目を決行します。
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